福岡大・牟田、堂々デビュー

　来季から名古屋グランパスに加入する福岡大４年のＤＦ牟田雄祐（２２）が２５日、愛知県豊田市で行われた愛院大との練習試合で“グランパス・デビュー”を飾った。安定感のある守備に加え、２度にわたって惜しいシュートを放つなど非凡な得点センスを披露。大物新人は攻守で絶大なインパクトをもたらしそうだ。

　牟田が上々のデビューを果たした。グランパスの一員として初めて迎えた愛院大との練習試合。「緊張はしなかった。大学とグランパスではやり方が違うので、一つ一つ学びながらやりました」と冷静にプレーした。９０分間フル出場し、守備は全く危なげなし。大学ナンバーワンＤＦの看板に偽りはなかった。

　加えて、スケールの大きさを見せたのは攻撃。前半半ばにはヘディングがバーを直撃。後半にもペナルティーエリア外から狙い澄ましたミドル（相手ＧＫがファインセーブ）。ＤＦでありながら、もう少しでゴールのシーンを２度もつくった。

　牟田は「得点でも貢献していきたい。セットプレーなどでチャンスがあればどんどん狙う」と貪欲。今季の九州大学リーグでは２０試合で６得点をマークしている。ＤＦとして規格外の得点力は、先輩ＤＦの闘莉王とも重なる。

　攻守で存在感を示した牟田に対し、チーム内での評価は高まる一方。愛院大戦でゴールを守ったベテランＧＫの高木は「大学生じゃない。落ち着いているし、自信を持ってプレーしている。疑問に思ったことを、自分から質問してくる姿勢もいい」とほめちぎった。

　来春の正式加入を前に、スポット参戦の形で加わった練習試合でこのハイパフォーマンス。スーパールーキーは間違いなくグランパスの力を底上げしそうだ。　（木村尚公）