ルネサス:株主3社、官民2000億円出資に大筋で同意-関係者
11月26日(ブルームバーグ):半導体企業ルネサスエレクトロニクス 支援をめぐり、主要株主であるNEC 、日立製作所 、三菱電機 の3社が、官民ファンドの産業革新機構 やトヨタ自動車 などによる総額2000億円の出資の受け入れに大筋で同意した。事情に詳しい関係者が26日、ブルームバーグ・ニュースに明らかにした。
関係者によると、機構が1800億円強を出資してルネサス株の3分の2を取得し、トヨタなど8社が計百数十億円を拠出する。機構側はルネサスの株主や主力銀行に、最大5000人の追加削減と工場閉鎖の加速を進める計画も提示している。
ルネサス株価 は一時、前営業日比20%高と、約2カ月ぶりの日中上昇率を記録した。終値は同48円(17%)高の337円。26日付の日本経済新聞朝刊は機構と主要株主3社が支援で最終合意し、買収計画を12月初旬に発表の見通しだ、と報じていた。
機構が追加削減分のうち1000人を株主3社に引き受けるよう要請したと日経は伝えた。報道によると三菱電が数百人を引き受け、NECと日立は人員の代わりに希望退職に必要な費用を各約10億円負担することで合意した、という。
機構はトヨタやパナソニック などとともにルネサスへの2000億円出資を計画、11月中の合意を目指してきた。米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)も1000億円の投資を提案していた。
ルネサスは7月に国内拠点の抜本的な整理や早期退職を柱とするリストラを発表。大株主3社と主力銀行が10月1日に、リストラ費として計970億円を支援した。早期退職では10月末で、連結人員の約2割にあたる7446人が会社を去った。
経営不振は、国内テレビ販売急減などに伴う主力製品のシステムLSI(高密度集積回路)の収益悪化が主因。このため別の主力製品で、車載用を軸に世界シェア首位のマイコンに特化する形で再建を進めている。現行の通期(2013年3月期)純損益予想は1500億円の赤字。
ルネサス広報の小林洋一氏は26日の報道に関する電話取材に「当社が発表したものではない」と語った。NEC広報の加藤竹彦氏、日立広報の紺野篤志氏、三菱電の広報担当者は「決まったことはない」と述べた。機構のコメントは得られていない。
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更新日時: 2012/11/26 16:18 JST