放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は27日、スナックの無許可営業事件を取り上げたテレビ神奈川(横浜市)のニュース番組について「放送倫理上重大な問題がある」とする委員会決定を発表、同決定を放送するとともに、人権への配慮を徹底するよう勧告した。
BPOによると、同局は4月、ニュース番組「tvkNEWS930」で同事件を報道。その際、逮捕の場面のほか、女性の実名や自宅住所を報じていた。
同委員会は決定で「事案は風営法違反の中でも悪質性が比較的軽微」と指摘。「繰り返し映像を流した結果、女性に対する過剰な制裁的・懲罰的効果が生じ、本人とその家族に精神的苦痛を与えた」とした。
インターネットでニュースの動画が約1か月間、閲覧できる状態だったため、女性が5月に同局に抗議。女性の申し立てを受け、同委員会が審理していた。
同委員会のヒアリングで、テレビ神奈川は「実名報道が原則で、映像も必要な素材と判断した。プライバシーの侵害には当たらず、謝罪放送などの要求には応じられない」と主張していた。
[2012/11/27-16:55 スポーツ報知]