「殺人犯キム・ホンイルは『20年ほど服役したら釈放される』と言ってのけたという。『(釈放されたら)また女と付き合いたい』と言ったという話も聞いた」
26日、蔚山地裁101号法廷。蔚山市で姉妹が殺害された事件の犯人、キム・ホンイル被告(27)=写真=に対し、同地裁刑事3部(成金石〈ソン・グムソク〉裁判長)の審理で行われた初公判で、検察側の証人として出廷した被害者の父親は「検挙された直後、キム・ホンイルが警察署の留置場などで見せた行動や、発言などを伝え聞き、あきれてものが言えない」と話した。
父親は「キム・ホンイルが留置場でほかの被疑者に対し、(自分の名前が)ポータルサイトの検索ワードランキングで1位になったことを自慢げに話していた、と聞いた。(釈放される)20年後には、スマートフォン(多機能携帯電話端末)がどんな感じになるか気になる、という話もしていたという」と証言した。その上で父親は「(キム被告を)死刑にすれば、このような発言をすることもない」と付け加えた。
被害者の父親や家族、友人たちは、今年9月13日にキム被告が逮捕された直後から、面会を求めて警察署の留置場をたびたび訪れた。その過程で、警察官やほかの被疑者から、キム被告の留置場での生活ぶりについて話を聞き「厚かましい態度に怒りを覚え、歯ぎしりする。必ず死刑にすべきだ」と主張してきた。
父親は初公判でも、裁判官たちに対し「被告人に法律上の最高刑である死刑を言い渡してほしい」と求めた。また父親は「キム・ホンイルが検挙された直後、全国を回って死刑を求める嘆願書を受け取った。多くの市民は、性犯罪や凶悪犯罪の犯人を死刑にし、被害者やその家族がこれ以上増えないようにすることを望んでいる」と主張した。
父親はさらに、検察側の求めに応じ、殺害された2人の娘が普段おとなしく、孝行心が厚かったことを説明したが、その途中で感情が込み上げ涙を流した。
キム被告は今年7月20日午前3時13分ごろ、蔚山市中区の住宅に侵入し、別れ話を切り出した27歳の女性と23歳の妹を刃物で刺し殺害したとして起訴された。なお、次回の公判は来月21日に行われる予定。