花粉対策

いよいよ、いや~な「スギ花粉」の季節です。私も毎年花粉に悩まされている1人。20年も花粉症と戦うベテラン?です。ポイントをおさえて対策すれば、症状を軽減できそうです。私と一緒に今年の花粉シーズンを乗り越えていきましょう!

対策をするには、まずは敵を知らねばなりません!
という事で、まずはじめに、スギ花粉そのものについての情報を少々ご紹介します。

 

1.スギ花粉の形状とアレル物質

スギ花粉のアレル物質(アレルゲン)は、最近では十数種類あるとわかってきていますが、中でも「Cry j 1」と「Cry j 2」の2種類が最もよく知られ、最も多くの人に影響すると言われています。ではこの2つの2大アレル物質。いったい花粉のどこに存在しているのでしょう。

●花粉の本体

■花粉の中
左の写真は、ご存知スギ花粉。この花粉が水分に触れるとパカット割れて、中からアレル物質の「Cry j 2」が出てきて、悪さをします。

■花粉の外側
また、花粉の外側にもアレル物質は含まれます。ネキシンやセキシンとよばれる表層部には「Cry j 1」が多く含まれることもわかっています。

■大きさ
本体の大きさは約30マイクロメートル(1マイクロメートル=1,000分の1ミリ)。このサイズは、鼻の毛や粘膜でキャッチされる大きさです。比較的大きいので、時間の経過とともに落下し、お部屋の中では、床面に多く見られます。

●ご存知でしたか?~まわりのブツブツ「オービクル」

■ちっちゃなちっちゃな「オービクル」
さらに写真をよーく見て下さい。花粉のまわりに、コンペイ糖のようなブツブツがありますね。鱗のようにポロポロ落ちるのですが、これは「オービクル」と呼ばれるもの。ここにも「Cry j 1」が多く含まれることがわかっています。

■大きさ
大きさは約0.5~1マイクロメートル。自体の重さでは落下せず、浮遊し続けるため、お部屋の中でも、空気中に存在します
また、この大きさは、鼻などを通過して肺にまで達するサイズです。

電子顕微鏡(オービクル)写真
提供:(株)テクネックス工房

2.大きさが重要

花粉本体とオービクルのように、お部屋の中の埃には、落下するものと、小さすぎて(軽すぎて)落下しないものとがあります。

●落下するホコリ

■いわゆる白くたまるホコリ

時間の経過とともに落下する物質の大きさは10マイクロメートル以上。いわゆる、床や家具などに白くたまる埃です。落下する時間は、大きさによって異なります。

スギ花粉本体も約30マイクロメートル。落下する埃の仲間ということですね。

●このサイズの埃は、掃除機や、拭き掃除などでお掃除が可能です。

●落下しないホコリ=浮遊粒子状物質

■フワフワ浮いてる10マイクロメートル以下のホコリ

空気中を漂う落下しない物質は、環境基準で「浮遊粒子状物質」と称されています。大きさは10マイクロメート以下と定義され、鼻などでブロックされずに気管に入りやすいことから、健康への影響も大きいと考えられています

■さらにもっと小さい微小粒子は肺の奥まで入りやすい

さらに、浮遊粒子状物質の中で、粒径2.5マイクロメートル以下のものを、「微小粒子状物質」と呼ばれ、肺の奥深くにまで入りやすい大きさとされています
オービクルは0.5~1マイクロメートル。まさにこのサイズです!

「Cry j 1」を含むオービクルは、肺の奥深くにまで進入していることになります。

●空気中を漂いつづける埃ですから、掃除機や拭き掃除での除去はできません。
まさに空気清浄機の出番です。

3.どんどん小さくなる花粉!?

ご存知でしたか?スギ花粉は日にちがたつと、細かくなっていくようです。

●花粉シーズン初期~後期でだんだん小さくなる


3月下旬

4月中旬

4月下旬

5月中旬

■だんだん粉砕されて小さくなる花粉

花粉本体は落下する大きさで、オービクルは落下しない大きさ、というお話しをしました。

しかし花粉の本体も、日にちがたつにつれ、粉砕されてどんどん小さくなっていく事が確認されています。
都会では、アスファルトが多く、花粉が土に吸収されずに、いつまでも市街地に残存する事が指摘されていますが、何度も車や人などに踏まれたり、舞い上がったりを繰り返している間に、粉砕されていくのかもしれません。

いずれにせよ、はじめは落下する大きさの花粉本体も、粉砕されて細かくなり、落下しない大きさになっていく可能性があるということですね

各種電子顕微鏡写真提供(株)テクネックス工房

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