歯学部 歯学科
友利 南海さん

歯科診療もヘアやネイルのサロンのように
気軽に通え心を満たすサービスにしていきたい。

歯科医師(東京都)

友利 南海さん

歯学部歯学科 2003年卒業

豊かな会話と美しい歯の魅力を自ら発信。

今の方々は年齢を問わず、それぞれに個性的な洋服や靴、バッグをスタイリングされますし、肌や髪のお手入れもきちんとしているように思います。けれど歯や口もとにまでケアが行き届いているかというと、ほとほと疑問。街を歩いていて、指先とお洋服を同じ色でコーディネートしている可愛い子が、その笑顔の口もとからくすんだ歯を覗かせていたりすると、すごくがっかり。日本人は西欧に比べ、まだまだ歯や口もとへの意識が低い現状を、とても残念に感じます。

一般の方の歯科医院に対する敷居が高い理由のひとつに、処置に伴う過去の恐怖体験から「できれば行きたくない」という逃避心理が働くからではないか、と私は考えます。ですから私が処置の際に心がけているのは、患者さんを安らかな状態に導けるような楽しい会話です。それは歯科診療に関係のない雑談のこともあれば、治療についてのより詳しい説明のこともあり、ケースバイケース。患者さんを理解した上でのアプローチが必要で、やはり経験がものを言いますね。

ホワイトニングなど審美歯科について広く一般に認知いただくには、歯科医師である私の歯や口もとが魅力的であるのが大前提です。治療計画などについて説明する私の口もとを、患者さんはじっと見つめています。その際に「キレイだな」「私もあんな口もとになりたいな」と思っていただくことが、とても大事だと思うのです。近い将来、審美歯科がもっともっと一般的になり、ヘアやネイルのサロンに行くような気軽な感覚で歯科医院へ足を運んでもらえる時代になることを、心から望んでいます。

国際チャリティなど活動分野を拡大中。

口腔ケアへの関心を今よりさらに高めるために、歯科医師である私にできること。その想いを原点に、「女医会」というさまざまな専門の女性医師グループに所属し、ユニセフへの寄付などをしています。そうしたチャリティ活動を経験して感じるのは、歯科医師として能力を発揮する場は歯科医院だけではない、ということです。歯科医師である私が社会に出てアクションを起こすことで、一般の方の目や心は確実に歯科医療へと向かいますから。

一方で、高齢の患者さんに「先生の顔を見たら元気になったよ」と言ってもらえる臨床も大好きです。「ありがとう」の言葉を誇らしく嬉しく思います。歯科医師というと男性のイメージが強いかもしれませんが、実は女性にも向いている職業だと思います。

  • この取材は2009年に行ったものです。