関電値上げ、パナやシャープ困惑 年収800万…自助努力に疑問の声も (1/3ページ)

2012.11.27 11:01

会見で値上げへの理解を求める関電の八木社長=26日午後、大阪市北区の関電本店(渡守麻衣撮影)

会見で値上げへの理解を求める関電の八木社長=26日午後、大阪市北区の関電本店(渡守麻衣撮影)【拡大】

 関西電力が26日発表した来年4月からの電気料金値上げ(企業向けは平均19・23%)に対し、円高や中国の成長鈍化に苦しむ企業からは「許容できない」などと反発する声が相次いだ。海外に生産拠点を移転するメーカーが増えれば、関西経済の空洞化はますます深刻化しそうだ。

 社員平均でも年収800万円

 「製造業として大きな影響を与えかねない事態で、許容できない。工場は関電の電力にお世話になっており、急には移転するわけにも、製造量を減らすわけにもいかない」。パナソニックの津賀一宏社長は、困惑の表情を浮かべた。

 同社の国内拠点の電気代は年間約500億円で、6割が関西に集中する。値上げは経営不振にあえぐ関西電機大手のグローバル競争力をさらに奪いかねない。

 関電供給エリアの大阪府や奈良県に多くの生産拠点を持つシャープも「年間10億~20億円のコスト増になる」と困惑する。

「恒常的な値上げでは対処しようがない」とお手上げ状態

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