フィギュア:女王キム・ヨナ、再び氷上へ

B級大会NRW杯出場のキム・ヨナにGPファイナル上回る関心
前売りシステム初導入、チケット売り切れ

 2010年のバンクーバー冬季五輪フィギュアスケート女子シングルの金メダリスト、キム・ヨナ(22)の復帰まであと10日となった。キム・ヨナは来月8-9日にドイツ・ドルトムントで開催されるNRW(ノルトライン=ヴェストファーレン州)杯に出場する。同時期(12月7-8日)には国際スケート連盟(ISU)が主催するグランプリ(GP)ファイナルもロシア・ソチで開催されるが、いわばB級大会のNRW杯に出るキム・ヨナの方が、GPシリーズの「キング・オブ・キング戦」に出場する世界トップ・ランカーたちよりも国際的に大きな関心を集めている。

■「女王」が帰ってくる

 キム・ヨナは昨年5月の世界フィギュアスケート選手権(ロシア・モスクワ)で2位になってから1年7カ月間、リンクを離れていた。引退するかどうかで悩んでいたが、今夏に「2014年ソチ冬季五輪まで選手を続ける」と決心、本格的な練習を再開した。だが、昨年初めまで1位だった世界ランキングは57位に転落。ISUの規定改正に伴い、キム・ヨナは今回、最低限の技術点数(ショートプログラム28点・フリー48点)を取らなければ、来年の世界選手権(カナダ・オンタリオ州ロンドン)に出場できない。

 キム・ヨナ復帰の舞台となるNRW杯は2007年の創設以来、最高の盛り上がりを見せている。主催者側はこれまで入場券を試合当日だけ販売していたが、今回は問い合わせが殺到、初めて前売りシステムを導入した。13日にインターネットで受付が始まるやいなや、チケット400枚は6時間30分で完売。同国のケーブルテレビ局も初めて放映権を確保した。

■「オーサー・チルドレン」男子も

 キム・ヨナ不在の間、世界女子フィギュアはスター不足の状態だった。アシュリー・ワグナー=米国=が今季GPの第1戦、第5戦で優勝、浅田真央=日本=が第3戦、第6戦で優勝したが、競技力は期待に及ばなかった。2人とも基本的に3回転連続ジャンプを実戦プログラムから外していた。

 ロシアがソチ冬季五輪の金メダル有望株と見ているエリザヴェータ・トゥクタムィシェワはGPファイナルにこだわり、当初出場を予定していたNRW杯に出場しないことになった。このためキム・ヨナとの対決も実現しなかった。

 GPファイナル男子シングルではキム・ヨナの前コーチ、ブライアン・オーサー氏が指導する羽生結弦(ゆづる、17)=日本=とハビエル・フェルナンデス(21)=スペイン=が目を引く。4回転ジャンプが強みの羽生は、今季ショートプログラムで世界最高記録を2回(GP第1戦95.07点、第6戦95.32点)出した。ぜんそくの症状があり、ショートプログラム(2分50秒)より長いフリー(4分30秒)の演技では体力的な負担を感じるという。フェルナンデスはGP第2戦で現在の世界チャンピオン、パトリック・チャン(22)=カナダ=を破り優勝した新星だ。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者
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