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政治
【一筆多論】石井聡 世襲批判にどう答える
2012.11.26 07:52
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だが、実施時期を曖昧にしたり、公募の手続きを経れば世襲を事実上認めたりすることで骨抜きにした。「公募といっても名ばかり」との批判は党内にも絶えない。
当選に大事な「地盤、看板、かばん」はそれぞれ後援会、知名度、選挙資金を指す。最初から「3バン」がそろう世襲議員は圧倒的に有利で、非世襲者の新規参入を阻む不公平が存在しているのは明らかだ。
とりわけ世襲の場合、子供への継承をねらう親がぎりぎりまで引退表明を遅らせ、ライバルに準備期間を与えない作戦をとることができる。アンフェアとしかいえず、良い人材がいながら他党に追いやってしまうことにつながるだろう。
さらに「かばん」について大きな問題が残っている。「政治資金の世襲」が法律で禁じられていないため、資金管理団体を子に引き継ぐか、親子それぞれの資金管理団体間で資金を移し替えることができる。一般人なら相続にあたる資産移転が、寄付行為として非課税になる。
自民党も政治資金の継承は認めないとしていたが、今回の衆院選公約からは外れた。民主党が野党時代に提出した資金継承を禁じる政治資金規正法改正案もいまだに成立していない。
両党とも本当に禁止する気があるなら、早急に法改正を実現すべきだ。
民主党の仙谷由人副代表は政治家一族に生まれた安倍氏について「家業としての政治家」と挑発する。こうした批判を一蹴するためにも、指導者として力量を発揮するのはもとより、不公平は取り除いていく姿勢を示さねばなるまい。(論説委員)
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