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政治
【一筆多論】石井聡 世襲批判にどう答える
2012.11.26 07:52
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「私たちは生まれ変わった」と国民に訴えながら政権復帰に近づいた自民党にとって、のどに刺さったトゲがある。
衆院選の候補者選びをめぐる世襲問題だ。福田康夫元首相や中川秀直元幹事長ら大物議員が相次いで引退を表明し、子息への後継を決めたことで改めてクローズアップされた。
野田佳彦首相は衆院を解散した途端に世襲を持ち出し、自民党批判の材料にしている。
たしかに現在の自民党執行部の顔ぶれを見れば、安倍晋三総裁以下、高村正彦副総裁、石破茂幹事長ら世襲議員がずらりと並ぶ。9月の総裁選を争った5人もすべて世襲だった。
民主党の細野豪志政調会長は「すさまじい世襲だ」と指摘し、「民主党は情熱のある人間にチャンスを与える」と語る。今の自民党はもっぱら世襲議員によって成り立っている、と印象付けたいのだろう。
もっともそれは、自民党では世襲議員の中から有為な人材が育ってきたことを示す証しでもある。実績を重ねてきた世襲議員に今さら罪を問うても、大きな意味があるとは思えない。
むしろ問題は、自民党執行部が世襲を「刺さったトゲ」だとは認識せず、「民主党が嫌がらせを言っているだけ」とほおかむりしかねないことだ。
自民党は平成21年の衆院選マニフェストで、「3親等以内の親族らによる同一選挙区での立候補を禁止」と明記していた。
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