2012.11.27 05:04

横審バッサリ、来場所1桁白星なら「日馬引退」(2/2ページ)

九州場所で9勝6敗に終わった新横綱日馬富士

九州場所で9勝6敗に終わった新横綱日馬富士【拡大】

 推薦した側のメンツが立たない。横審は横綱にふさわしい力量、品格などを審議して、日本相撲協会に答申する諮問機関。九州場所で不名誉な記録にまみれた、新横綱日馬富士に厳しい批判が相次いだ。

 会見した鶴田委員長は「極めて不満。新横綱が2桁の勝ち星もないとは…。横綱の資格はない」と冒頭から斬り捨てた。

 新横綱の5連敗は、横綱が番付に初めて記された明治23年5月以降、初めての失態。新横綱の白星が1桁で終わるのも昭和62年九州場所での大乃国(8勝)以来だ。さらに、横綱が同一場所で5連敗したのは平成11年秋場所の3代目若乃花以来と、門出の場所で大きくつまずいた。

 日馬富士は名古屋、秋場所で2場所連続全勝優勝を果たし、横綱に昇進。だが、大関在位22場所で平均勝ち星は1桁台だった。横審には昭和33年1月に定めた「大関で2場所連続優勝した力士を横綱に推薦する」という内規があるが、鶴田委員長は「2場所無敗では(横綱に)上げざるをえなかったが、ひょっとしたら早すぎたかもしれない。推薦した責任も感じる」とした。

 横審は、横綱の休場が多い場合や成績不振の場合、委員の発議で激励、注意、引退勧告ができる。人間国宝の沢村委員は日馬富士が来年初場所でも1桁勝利に終わった場合にも言及し、「(そうなれば)引退ですよ。8勝7敗ではなさけない。9勝6敗でもとんでもない」とバッサリ。来年初場所は昇進2場所目にして早くも進退がかかる?! (奥村展也)

(紙面から)