カナダ:いまも残る放射能汚染…除染計画、地元に政府不信
毎日新聞 2012年11月26日 02時32分(最終更新 11月26日 02時41分)
自宅を売り転居することにしたが、希望の値段では買い手が見つからず、値を下げた。一帯は全戸が除染のための放射線調査の対象地区。ポートホープ地域イニシアチブ事務所から、ラドン検出器を取り付けるよう協力を求められたが断った。除染事業に伴い不動産価格が下落したとして政府の補償プログラムの適用を求めている。
湖に面した公園で線量を測ると突然、毎時0.31マイクロシーベルトに上昇した。年間規制値の約2.7倍にあたる。近くのふ頭に目を向けるとシートをかぶせて保管されている背後の廃棄物を気にもせず釣り人たちが糸を垂れていた。
同事務所は、住民の84%が「ある程度」または「とても」計画に満足しているとのアンケート調査を示し、事業の推進に自信を示す。だが、カメコの「企業城下町」と呼ばれるポートホープでは、「共存」してきた核廃棄物への不安が染みついている。