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ノイズをまき散らす大電力インバーター機器の高周波漏電 |
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録音スタジオでギターアンプに「インバーターノイズが飛び込んだ」とか「コンソールのバスラインにインバーターが原因でありそうなノイズが飛び込んでいる」とかの問題が発生し、対策を頼まれることがよくあります。 結論から言うと、空調の室外機やエレベーターのインバーターからノイズが発生している場合がほとんどです。空調機器やエレベーターの運転を停止するとノイズは止まってしまいます。 そこで機器メーカーの技術者を呼んで対策を御願いするのですが、いままで経験した事例のほとんどについて、対応は「冷たい」と言わざるを得ません。 図面は出してくれないし、「法律の規制値をクリアーしているので、我が社としては対策処置をとる事はありません」とにべもなく言われてしまいます。 ユーザーが苦労しているのだから、図面を拡げて原因はどこにあり、どこを改修すればノイズレベルが下がるか検討しても良いと思うのですが。 せっかく工場から経費を使って出張してくるのだから、もうちょっと前向きに対応してくれればと思います。 結局インバーター機器に直接手を下して対応策をとることができないので、機器以外の外部でノイズ対策を行なわなければなりません。それにはかなりの費用もかかりますし、対策機器設置のためのスペースも必要となります。 インバーター機器のノイズ輻射は、高周波の漏電電流がアースラインや鉄骨などの建物の構造体を通って受電トランスの二次側の接地点まで流れて行き, 電源ラインをコモンモードで戻って来るのが原因です。この距離が長くなるほどノイズ輻射の範囲が大きくなります。 しかし、法律に抵触していないからと言って放置して良い問題でしょうか? 高周波の電流が漏電していることに違いはないのですから。 本来は漏電ブレーカーが高周波漏電を検知して電源を遮断しなければならないのですが、新しい漏電ブレーカーは、インバーター機器の高周波漏洩電流で落ちないように(誤?動作を防ぐとして)、わざと高周波の感度を下げてあります。 高周波の感電なら人体に無害なのでしょうか? インバーター機器の出現によって漏電遮断機の周波数特性を高周波まで対応させることこそ、人体や電磁波環境を守るために必要なことだと思うのですが。 またインバーター機器メーカーも、もっと親切に対応してくれても良いと思うのですが。
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