ネット預金不正送金:送金先のカード譲り受けの疑い、中国人に逮捕状 きょうにも再逮捕 /埼玉
毎日新聞 2012年11月14日 地方版
中国人組織によるインターネットバンキングの預金不正送金事件で、送金先に使う銀行口座のキャッシュカードを譲り受けた疑いが強まったとして、県警は13日、犯罪収益移転防止法違反の疑いで福岡市博多区の会社員、尚洋被告(32)=中国籍=の逮捕状を取った。14日にも再逮捕する方針。捜査関係者への取材でわかった。【田口雅士】
捜査関係者によると、尚容疑者は中国籍の男性(22)=福岡地裁で有罪判決=と共謀して昨年7月、川口市内で中国籍の女(31)=詐欺罪で公判中=から銀行のキャッシュカード1枚を譲り受けた疑いがある。尚容疑者らは昨年7月に車で川口市までキャッシュカードを取りに来たという。この銀行口座はネットバンキングの不正送金先に使われた形跡があった。
女は昨年7月、別の銀行で在留資格のある外国人であるかのように装って普通預金口座の開設を申し込み、通帳をだまし取ったとして詐欺罪に問われ、さいたま地裁で公判中。県警は、この女についても犯罪収益移転防止法違反の疑いで、14日にも再逮捕する方針。
尚容疑者は10月24日、500万円が不正送金された事件で不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕された。県警によると、尚容疑者は容疑を否認したままという。
尚容疑者は、熊本市や北九州市の銀行で計826万円の現金を引き出したとして起訴され、福岡地裁で公判中だったが、県警が福岡拘置所から身柄を移して捜査を続けている。
尚容疑者は一連のネットバンキングの預金窃盗事件で現金引き出しのリーダー格とされ、中国福建省の犯罪組織とつながりがあるとみられている。