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最終更新:2012年11月27日(火) 0時2分

シリア難民、砂漠キャンプに厳しい冬

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 内戦が続くシリア。国連はシリアから国外に逃れた難民の数がこの3か月で倍増し、44万人を超えたと発表しました。そのうち12万人は隣の国ヨルダンにいますが、砂漠地帯の難民キャンプは今、冬を迎えようとしています。

 シリア国境に近いヨルダンのザアタリ難民キャンプ。ここでは3万人ほどのシリア難民が暮らしますが、今でも1日に少なくとも100〜200人のペースでその数が増え続けています。国境の北、ダルア出身のこの一家は、5か月前、砲弾が降る街から命からがら逃げてきました。

 「(国境越えは)とても危険でした。(反体制派の)自由シリア軍が同行してくれました。政府軍は撃ってきましたが、遠くからでした・・・」(シリア難民 ハルドゥーンさん)

 砂漠地帯の11月、夜間の気温は2〜3度まで下がります。暖房はなく、子どもたちは体調を崩しがちです。

 「風邪、せき、腹痛・・・寒さのせいですよ」(シリア難民 ハルドゥーンさん)

 本格的な冬を前に、日本の団体も支援に入っていました。

 「20万着、冬物の衣類を配布する予定でいるので、それに向けて聞き取り調査、具体的な家族構成ですとか、現在の生活状況について調査を行っています」(日本の支援団体JEN 佐々木弘志さん)

 冬服への要望は強いのですが、増える難民の数になかなか追いつきません。

 「着の身着のままで来たのよ。砲撃があったから荷物なしで。キャンプに入ったとき、新しい服をくれると約束したのに、まだもらえていません」(シリア難民)

 シリアでは25日、反体制派が首都・ダマスカス近郊の空軍基地を制圧したと発表。アサド政権側も各地で空爆・砲撃を行い、一進一退の攻防が続きます。戦火の中、国外に出ようにも出られない人も多くいます。

 キャンプの端、このあたりだとシリアの携帯電波をかろうじて拾えます。か細い電波が国境の両側をつなぎます。

 「昨夜は砲撃とかあったの?神のご加護だね。おばあちゃんの具合はどう?」(シリア難民)

 戦闘が始まって2度目の冬。あと何回、ここで冬を越すのでしょうか。(26日21:08)

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