警視庁などの合同捜査本部は19日、詐欺の疑いで住所不定、無職の男(28)を逮捕した。警視庁は、この男が都内に拠点を置く振り込め詐欺グループを主導したとみている。
グループの口座には1年間で約370人から計約30億円の入金があり、警視庁などが捜査している。
逮捕容疑は5月ごろ、証券会社社員などを装い、埼玉県三芳町の無職女性(83)に電話で「社債を買ってくれたら額面の2・7倍で買い取る」と実態のない会社の社債を購入させ、計2000万円をだまし取った疑い。容疑を否認している。
警視庁によると、事件発覚後、容疑者の所在が分からなくなっていたが、ネット掲示板に「札幌・ススキノのキャバクラで、東京の詐欺師が300万円使っている」との書き込みがあるのを発見したことがきっかけで足取りが浮かび、札幌市内で逮捕した。
容疑者の詐欺グループは東京・新宿のマンション数部屋を「金庫部屋」などと称して使用していた。室内から現金約2億円が押収され、グループのメンバー28人が詐欺罪で起訴されている。
振り込め詐欺に詳しい事情通は「検挙された犯人がまとまったお金を持っていた場合、被害者宅に検察庁から被害申告書が送られ、申告すると被害金額が戻ってくるケースもあります。でも、散財されたお金は戻ってこないでしょう」と指摘。詐取したカネは2億円しか押収されていない。
「詐欺でどんなに大金を得ても、そのカネで表の商売をやったり、不動産を買ったりすると税務署に目をつけられる。だから、違法ヤミ金をやるヤツも多かったが、踏み倒されることが相次いでやらなくなった」(同)
大金は無駄に使うしかないようだ。歌舞伎町ホストのケンイチ氏は「振り込め詐欺師はキャバクラなどで豪遊して楽しむしかない。キャバクラ嬢は詐欺師を太い客にし、そのキャバ嬢を客に持つホストも売り上げがアップ。一方、刑事は取り締まりのお目こぼしの見返りでキャバクラなどで無料で遊びつつ日常的に内偵している。だから振り込め詐欺犯は逮捕されちゃうんです」と語る。
振り込め詐欺犯と風俗店と警察の奇妙なトライアングルがあるようだ。
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