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劇場型詐欺 高齢者狙う…不審電話、富山・射水で9件
ある日突然、身に覚えのない金融商品のパンフレットが届き、その後、知らない男から電話が――。
富山県射水市で10月以降、高齢者宅を狙い、複数の犯人が役割分担して架空の投資話などをもちかける「劇場型」と呼ばれる詐欺の不審電話が少なくとも9件相次いでいる。今のところ被害はないが、劇場型で現金をだまし取られる事件は全国で相次いでおり、県警や県消費生活センターは注意を呼びかけている。
射水署によると、いずれのケースもまずパンフレットが届く。内容はソーラーパネルや仏壇の購入権利、FX取引(外国為替証拠金取引)の出資募集、高額配当金付きの投資信託など様々だ。後日、男の声で「自分も購入したいが、パンフレットが当たった人しか権利がない。名義を貸してくれないか」と電話があり、「利益の一部を分ける」などの話を持ちかけられる。
その後、「パンフレットを送った会社」を名乗る別の男から「支払いがあったが名義貸しは犯罪だ。すぐに解約金を振り込め」と脅しの電話があるという。市内では、現金自動預け払い機(ATM)の前で金融機関の職員に注意され、寸前で入金を思いとどまった例もあるという。
こうした手口は、犯人グループが別々の電話で複数の登場人物の役を演じ、架空の話を繰り広げることから「劇場型」と呼ばれる。富山市内の高齢女性が今月7日、「警察官」や「日本銀行協会」を名乗る複数の男から相次いで電話を受け、計150万円をだまし取られた事件も同様の手口で、全国でも被害が後を絶たない。
県警幹部は「犯罪グループの間で、はやりの手口として横行している。複数の人間が絡むことで、架空の話を信用させやすい」と話す。架空のパンフレットが本物のように立派に作られていることも特徴だという。
県消費生活センターにも同様の相談が寄せられている。「劇場型」に限った統計はないが、購入を巧みに持ちかける事例は今年4~9月の間に「未公開株」型が10件、「公社債」型が17件、「ファンド投資型」が39件にのぼり、同センターはホームページで手口を紹介している。
同署は「うまいもうけ話はない。おかしいと思ったらすぐに相談を」と呼びかけている。
(2012年11月24日 読売新聞)
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