真央“ヒヤヒヤの白鳥”ミス連発ギリギリ0・05差でV
デイリースポーツ 11月25日(日)7時0分配信
「フィギュアGPS・NHK杯・第2日」(24日、セキスイハイムSA)
男女フリーを行い、女子はSP首位の浅田真央(22)=中京大=がミスを連発しながらも合計185・27点をマークし、2位に入った鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=の追い上げをわずか0・05差でかわし、4年ぶり3度目の優勝(GP通算10勝目)を飾った。日本人最多のGP10勝目とした浅田は、鈴木とともにGPファイナル(12月5日開幕、ロシア・ソチ)進出を決めた。男子は羽生結弦(17)=東北高=が総得点で世界歴代4位の261・03点で初優勝(GP2勝目)。2位の高橋大輔(26)=関大大学院=とともにファイナルに進出した。
得点が出た瞬間、会場のどよめきと、真央の驚いた表情が意外な結果を表していた。SP首位で大トリを務めた真央だったが、冒頭の3回転ループが2回転となると、その後も3回転ジャンプにことごとく失敗。完ぺきな演技をした鈴木の追撃をわずか0・05点差でしのぎきった。
優勝したが「自分の出来の悪さにがっくりしていた。優勝と出た時は、ポカンとしてしまいました」。採点を待つ場所では、思わず「ごめんなさい」と観客に頭を下げた。
SPで直近3シーズンでは自己最高の67・95点を出したが、そこに心のすきが生まれた。「気持ちは落ち着いていたし、冷静にやろうと思っていた。その分、強い気持ちとか、勢いが欠けてしまった」。それでも表現力を示す5項目の構成点では、鈴木を2点以上上回った。“土俵際”で踏みとどまる強さは、近年にはなかったものだ。
日本人最多のGP通算10勝目で、14年ソチ五輪と同会場で行われるGPファイナルへ弾みをつけた。GPシリーズ“連勝”での進出は、07‐08年シーズン(スケートカナダ、フランス杯)以来、5年ぶりだ。
昨年はファイナルに進みながら、母匡子さんの容体が急変し、現地から緊急帰国。48歳で亡くなった母の死を乗り越え、復活を期する今季。世界最高峰の舞台に懸ける思いは強い。
浅田自身、まだまだ進化への手応えを感じている。「今日はやってきたことが出せなかったけど、GPファイナルもある。このままでは自分は納得できないし、この悔しさをファイナルにぶつけたい」と誓った。4年ぶりのファイナル制覇へ、この失敗を必ず糧にしてみせる。
最終更新:11月25日(日)8時3分
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