浅田真央:滑り出し絶好調、翌日一転「悔しい」着地=NHK杯
サーチナ 11月26日(月)10時52分配信
うれしいが不安――。そんな結果になってしまった。フィギュアスケートの浅田真央(中京大)だ。23日と24日に宮城県利府町のセキスイハイムスーパーアリーナで開催されたグランプリ(GP)シリーズ第6戦のNHK杯で、23日の女子のショートプログラム(SP)で「絶好調の滑り出し」を見せたものの、翌24日のフリーでは自分自身が「悔しい」と不本意さを認める演技。鈴木明子(邦和スポーツランド)に猛追され、かろうじて逃げ切った格好となった。
22日に会場で行われた公式練習で浅田は、11月の中国杯優勝を髣髴(ほうふつ)させる好調ぶりを披露。入念にジャンプをこなすなどで、「万全の状態」を見せ付けた。
同じく女子の鈴木明子(邦和スポーツランド)、男子の高橋大輔(関大大学院)、羽生結弦(東北高)ら出場選手も、氷の感触を確かめながら最終調整に取り組んだ。男子の優勝候補だった高橋も4回転ジャンプを成功させるなど、優勝への手応えをつかんでいたように見えた。
23日のSPで、浅田の好調ぶりは印象的だった。明るいポップなノリのいい曲に乗って滑走した真央は、愛くるしい笑顔で観客を魅了。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)こそみせなかったが、見事な表現力、ステップを披露した。
ほぼ完ぺきな演技内容に、本人も「最高の出来。リラックスして滑ることができました」と納得の笑みを浮かべた。
鈴木明子(邦和スポーツランド)はジャンプのミスが響き58.60点の5位。鈴木にとって24日のフリーは“得意科目”とはいえ、浅田に追いつくのはやや難しくなったようにも見えた。
状況が一転したのは24日だった。フリーに臨んだ浅田にとって、この日のリンクは「魔物」が潜んでいたように思えたかもしれない。精彩を欠き、4種類のジャンプで立て続けにミス。前日の“滑り出し”が好調だっただけに、「決められない着地」がファンの気持ちも重くした。
一方でSPで5位だった鈴木明子(邦和スポーツランド)が得意のフリーで猛追。浅田は0.05点差で、からくも逃げ切った。
浅田にとって、ロシア・ソチで12月に開催されるGPファイナルには、24日までのNHK杯で4位以内に入れば進出できることになっていた。しかし、ソチは2014年の冬季五輪の開催地であり、浅田も「ソチへ行って五輪が近づいている感じを味わいたい」と抱負を語っていた。
しかし最後の最後で不本意な演技を連発し、“薄氷を踏む”ような優勝。出場後に浅田自身が「ファイナルに行けるのはうれしいが、やってきたことが出せず、悔しいし残念」と振り返る「辛勝」だった。2014年の冬季五輪に向けての道は、いまだに平たんと言いがたい。
男子では羽生結弦(東北高)が23日のSPで、自身が持つ世界最高点を更新する95.32点で首位に立った。24日のフリーでも首位に立ち、自己ベストの261.03点で初優勝した。高橋大輔(関大大学院)は2位に終わった。(編集担当:柴田亮)
最終更新:11月26日(月)13時16分
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