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スポーツ
【Jリーグ】下位予想に発憤 生え抜き1年生指揮官、広島・森保一監督
2012.11.24 19:47
開幕前の順位予想は軒並み下位。降格圏すれすれの順位をつける評論家も珍しくなかった。「低い評価は妥当だと思う。でも、そういう下馬評をパワーに変え、覆せるようにと思ってやってきた」。前途多難とみられていた「一年生監督」は卓越した手腕を発揮し、チームを初優勝に導いた。
華麗なパスサッカーの土台を築いたペトロビッチ前監督の後を受け、生え抜きとしてクラブ初の監督に就任。攻撃重視のスタイルを継承しながら守備意識を高め、攻守にバランスの取れたチームに変身させた。
現役時代は、長崎日大高から前身のマツダ入り。入団当時の指揮官だったハンス・オフト氏に見いだされ、師の日本代表監督就任とともに日の丸を背負った。ポジションは守備的MF。1990年代半ば、まだ耳なじみのなかった「ボランチ」というポルトガル語は、この人の活躍とともに一般に浸透した。
目配り、気配りが行き届くのは、選手として脇役に徹してきたからだろう。関西、四国、九州…。控え選手が出場する練習試合にははるばる駆けつけ、居残り練習にも最後まで付き合う。「経験のない選手が主力と拮抗(きっこう)したしのぎあいができている。質の高い練習が今の結果につながっている」。出番を得られない選手がモチベーションを切らさず、チーム一丸を体現できた背景にはこんな理由がある。
観客席を満員にしてくれたサポーターに言いたかったことがある。「この優勝は、われわれを支えてくれた皆さんのものでもあります。おめでとうございます」。人柄があふれる、優勝監督としての第一声だった。(細井伸彦)
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