【北京=峯村健司】中国軍の空母「遼寧」(約6万7千トン)で、艦載機「殲(せん)15」を使った初の発着艦訓練に成功した、と新華社通信が25日、報じた。甲板上で艦載機を急停止させるための着艦ワイヤの装備も確認できた。最も高い技術が求められる訓練に成功したことで、実戦配備に向けて本格的に動き出した。
「遼寧」に同乗した中国中央テレビの記者が海上から伝えたところによると、訓練は渤海湾で行われた。上空を旋回していた黄色に塗装された2機の「殲15」が機体フックを出しながら降下し、甲板上にある着艦ワイヤに引っかけて急停止させた。甲板上では主翼を折り曲げて待機。再びエンジン音を立てながら14度上に反り上がった甲板を発艦した。
「殲15」が公式メディアに姿を見せたのは初めて。ロシアの戦闘機スホイ33の技術を盗用したとの指摘があったが、新華社は「我が国が設計から建造まで自国で手がけた初の国産艦載機だ」と強調した。