境界性人格障害とうつ病/参考文献等

おすすめの本


 

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ここでは管理者komorebiが当サイトを作成する上で参考にした書籍を中心に、人格障害や気分障害についての本を紹介していきたいと思います。


オススメの1冊(その1)
境界性人格障害のすべて
2004.6.25 ヴォイスより発行
オススメの1冊(その2)
境界性人格障害=BPD
2003.4 星和書店より発行
オススメの1冊(その3)
それは、「うつ病」ではありません!それはうつ病ではありません
2009.2 宝島社より発行
境界性人格障害のすべて 境界性人格障害=BPD それはうつ病ではありません

原著「I Hate You - don't leave me(大っ嫌い、行かないで)」は全米でベストセラーになりました。その本の日本語版です。著者はBPD研究を専門にするクライスマンという精神科医です。BPDとは何か、原因は、治療法や接し方などのほかに巻末には日本向けに特別に日本人の専門家の方が日本のこれからのBPD治療の展望やあり方についての対談があります。翻訳書ですが翻訳が丁寧で読みやすいと思います。おすすめ、必見の一冊です。臨床心理学や精神医学、看護学の教室やゼミ単位でのご購入もおすすめします。

自分にとって大切な人。それなのに、その人から傷つけられたり、身に覚えのないこ とで責められたり、コントロールされているように感じてはいませんか?まわりの人に相談しても、真面目に取り合ってもらえない。この本はそんなあなたのためのものです。ボーダーに振り回されずに彼らと付き合うにはどうすればよいか、 その対処方法を、 たくさんの体験談を交えながら、 わかりやすく具体的に説明しています。自分の人生を取り戻すためのヒントを、この本でみつけてください。なお、当サイト『デボルデ』の利用者の家族の方から何度もいい本だったと言われました。

自分は「うつ病」だからと病に逃げ込んではいませんか?少なくとも管理人komorebiはそうでした。そして、この本を自分の家族に読ませたとき、「あなたは本当のうつ病ではないんだね」と言われました。本当のうつ病は激務や疲労の末、自分をひたすら責め、申し訳ない気持ちで死を選ぼうとする気力すらありません。一方で、「うつ病の自分をなぜ理解しないのだ!死んでやる!」などと他人や周囲を責めるケースが最近増えているそうです。ボーダーも含め、著者は純粋なうつ病でない人々を「擬態うつ病」と呼んでいます。決して非難する訳でなく別の治療を受ける必要性を説いています。

星和書店

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題名
著訳者/出版社/定価/ISBN
オススメ度
内容または感想
境界性人格障害、境界例、人格障害
井上果子・松井豊著/サイエンス社/1400円/ISBN4-7819-0899-3
☆☆☆

精神分析の先生に勧められて購入した本です。境界性人格障害、自己愛性人格障害の入門書として現在入手できるものとしてはもっともわかりやすいです。★管理者おすすめ

境界性人格障害=BPD ポール・メイソン、ランディ・クリーガー著/星和書店/2800円/ISBN4-7911-0498-6 ☆☆☆ ボーダーに振り回されずに彼らと付き合うにはどうすればよいか、 その対処方法 を、 たくさんの体験談を交えながら、 わかりやすく具体的に説明しています。★管理者おすすめ
境界性人格障害のすべて ジェロルド・J. クライスマン 著/ヴォイス/1995円/ISBN 4-89976-070-1 ☆☆☆ 全米ベストセラー「I Hate You - don't leave me(大っ嫌い、行かないで)」の翻訳版。BPDとは何かから治療法、対応法までわかりやすく書かれています。日本人専門家の対談が追加されており必見です。★管理者おすすめ
境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリー イラスト版)境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本 牛島定信著/講談社/1260円/ISBN4-06259-423-4 ☆☆☆ 牛島定信先生は長年慈恵医科大学で人格障害の研究と臨床を経験されてきたスペシャリストです。わかりやすい図と文章で、境界パーソナリティ障害のことがよくわかる良著です。★管理者おすすめ
パーソナリティ障害(人格障害)のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)パーソナリティ障害(人格障害)のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版) 市橋秀夫著/講談社/1260円/ISBN4-06259-408-0 ☆☆ この本では、最近とくに多い「境界性パーソナリティ障害」と「自己愛性パーソナリティ障害」を中心に、治療の進め方、家族の接し方、対応法を紹介しています。あまりにも平易なためBPD初心者の入門向けだとおもいます。
自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリー イラスト版) 狩野力八郎著/講談社/1260円/ISBN4-06259-421-8 ☆☆ 狩野力八郎先生は力動精神医学(精神分析)で高名な方です。自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の治療法について多角的に解説されており、専門家、臨床家にとっても参考になります。
弁証法的行動療法実践マニュアル—境界性パーソナリティ障害への新しいアプローチ弁証法的行動療法実践マニュアル—境界性パーソナリティ障害への新しいアプローチnew マーシャ・M. リネハン著/金剛出版/4410円/ISBN4-77240-986-6 ☆☆☆ 「弁証法的行動療法」(DBT)は、治療困難な境界性パーソナリティ障害(BPD)に対し有効であるとして立証され、欧米においては広く支持されている注目すべき治療法である。現在、日本でも関心が高まってきており、BPDへの新しいアプローチとして期待されている。本書はDBTの開発者マーシャ・M・リネハンが、この治療法について具体的に解説したものである。★管理者おすすめ
境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法—DBTによるBPDの治療境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法—DBTによるBPDの治療new マーシャ・M. リネハン著/誠信書房/9450円/ISBN4-41441-424-5 ☆☆ 慶應義塾大学医学部の大野裕先生をはじめとした慶應大学系の精神科医領域の先生方が訳された、リネハンの弁証法的行動療法によるBPDの治療法の医学書です。最先端のBPD治療を学び精神科領域もしくは臨床心理領域の方におすすめです。
ボーダーラインの心の病理—自己不確実に悩む人々 町沢静夫著/新興医学出版社/2100円/ISBN4-42211-339-9 ☆☆ 以前出版された同名の著書『ボーダーラインの心の病理』に最新の研究データをふまえ加筆した2005年夏出版の改訂版。
境界性人格障害=BPD 実践ワークブック—はれものにさわるような毎日をすごしている方々のための具体的対処法 ランディークリーガー著/星和書店/2730円/ISBN4-79110-593-1 ☆☆

おすすめの別著『境界性人格障害=BPD』の実践用ワークブック。翻訳なので、当然の事ながらアメリカの文化的背景に基づいているので、多少読みづらいですが、BPDに関しての、「じゃあ実際にどうしたらいいの?」の問いかけに多少なりとも答えてくれる一冊だと思います。

愛した人がBPD(=境界性パーソナリティ障害)だった場合のアドバイス—精神的にも法的にもあなたを守るために愛した人がBPD(=境界性パーソナリティ障害)だった場合のアドバイス—精神的にも法的にもあなたを守るために ランディ・クリーガー著/2310円/星和書店/ISBN4-79110-675-X  

BPDを持つ人に関わっている人たちに向けた「ハウツー」ものとして書かれたもの。はれものにさわるような毎日を過ごしている方々が、BPDの人たちの感情がいかに激しいかを自覚し、それなりの心の準備をもって応ずれば、このようなダメージを減らすことが出来るかもしれない。未然に防ぐことが出来るかもしれない。本書は、虐待的な行動に直面しているBPDではない人に対する実践的なアドバイスが書かれている。

BPD(=境界性パーソナリティ障害)をもつ子どもの親へのアドバイス—両親が自分や家族を義性にすることなくBPDを持つ子を援助するために ランディ・クリーガー著/1995円/星和書店/ISBN4-79110-676-8  

本書は、子どもの言動に悩む親御さん、家族内の問題を扱う専門職のかたがたに、境界性パーソナリティ障害と呼ばれる障害を持つ子どもと希望を持って付き合っていく方法を分かりやすく示している。BPDと診断された子どもの親250人の経験に基づいて、苦しい毎日を送っている親御さんに理解しやすく具体的なアドバイスと希望を与える。

BPD〈=境界性パーソナリティ障害〉のABC—BPDを初めて学ぶ人のために ランディ・クリーガー著/1995円/星和書店/ISBN4-79110-676-8  

入門者向けにまとめられた境界性パーソナリティ障害についてのわかりやすい本です。 ただ、日本語訳があまりよくないので読みにくさがあります。

パーソナリティ障害の精神療法—マスターソン、トルピン、シフネオスの激論 ジェームス・F.マスターソン著/4830円/星和書店/ISBN4-79110-349-1   境界パーソナリティ障害及び自己愛パーソナリティ障害に対する、各々の臨床に即した意見交換の記録。
境界性パーソナリティ障害—クリニカル・ガイド ジョン・G.ガンダーソン著/金剛出版/5985円/ISBN4-77240-902-5   著者のガンダーソンは、境界性人格障害の概念形成に深く関わっており、マスターソン、カーンバーグとともに専門家の間では非常に有名だが、本書は彼の20年にわたる臨床経験の研究成果といえる。
境界性パーソナリティ障害—疾患の全体像と精神療法の基礎知識 小羽俊士著/みすず書房/3570円/ISBN4-62207-445-1   境界性パーソナリティ障害患者の専門病棟で 治療に携わってきた著者が磨き上げてきた精神療法の技法論。「患者のコミュニケーションを読む」とはどういうことか、何が「治療的」なのか、疾患を多面的に理解することで、精神療法の目的はおのずと決まる。患者に向き合う前の、臨床家の基礎知識をまとめている。
こころのりんしょうアラカルト 25-1—ボーダーライン(境界性人格障害)
星和書店/1680円/ISBN4-79116-041-X ☆☆☆ 「これまでにボーダーラインを扱った心の専門誌や専門書は、ともすれば理論偏重で分かりにくい傾向にあり、患者さんを「治療」し「処遇」する側の論理でもっぱら書かれている傾向にあった。そこで実際にボーダーラインの患者さんと身近に暮らす家族の方や友達の方にとって有益でかつ読みやすいものをお届けできないかと企画された」というのがこの本。★管理者おすすめ
BPD—境界性人格障害のアセスメントと治療 メラニー・A. ディーン著/金子書房/2730円/ISBN4-76083-236-X   BPD(境界性人格障害)の概観、診断、さまざまな治療法について簡明に記述。とりわけ各種心理療法の項目では、クライアントとさまざまな流派の治療者との対話を掲載し、治療理論を見事に具現化して表現。
パーソナリティ障害—いかに捉え、いかに対応するか 林直樹著/新興医学出版社/2520円/ISBN4-88002-478-3 ☆☆ なるべく特定の立場に偏らないように配慮しながら、パーソナリティ障害の概念についての現在の考え方を概説し、その精神科臨床における意義について検討を加える。歴史や概念、各類型、診断の評価方法、治療などを解説する。
自傷行為とつらい感情に悩む人のために—ボーダーラインパーソナリティ障害(BPD)のためのセルフヘルプ・マニュアル ロレーヌ・ベル著/誠信書房/2940円/ISBN4-41441-417-2 ☆☆ 不安・うつ・過食などに効果がある治療モデルをもとに、薬物とアルコールの誤用、児童期の虐待体験と現在の対人関係の困難ほかさまざまな問題に、記入式マニュアルで対処する
境界性パーソナリティ障害—患者・家族を支えた実例集境界性パーソナリティ障害—患者・家族を支えた実例集 林 公一著/保健同人社/1470円/ISBN4-83270-356-0   「Dr.林のこころと脳の相談室」を運営する林先生の著作。実際にサイトで相談をされた事例などが書かれている。
ボーダラインの人々—多様化する心の病 織田尚生著/ゆまに書房/3675円/ISBN4-84331-814-0   「内なるボーダーライン」を生き抜くために今注目されている対策や予防の実践方法を紹介。
パーソナリティ障害の診断と治療 ナンシー・マックウィリアムズ著/創元社/5040円/ISBN4-42211-330-5   精神分析的な診断の考え方の基本を示すとともに、パーソナリティ構造についての精神分析的概念を肯定的に説明し、診断の定式化をうまく行うことが臨床的にいかに有用であるかを示そうとする。
マンガ境界性人格障害&躁鬱病REMIX』 たなかみる著/星和書店/1680円/ISBN 4-79110-604-0 ☆☆☆ マンガで境界性人格障害と躁鬱病を解説した本は本邦初ではないでしょうか。内容はとにかくわかりやすくておもしろい。病気、症状の理解にとどまらず、体験談に共感する部分も多くておすすめです。★管理者おすすめ
パーソナリティ障害・摂食障害 上島国利・市橋秀夫著/メジカルビュー社/6300円/ISBN 4-7583-0230-8   パーソナリティ障害や摂食障害、解離性同一性障害など、一連の幼児期の養育に端を発する心理発達上の障害を基盤とする障害を取り上げ、その診断から治療までを解説。臨床に重点を置き、具体的、実際的な内容を記載。
自己愛性人格障害 町沢静夫著/駿河台出版社/1785円/ISBN 4-41100-365-1   自己愛性人格障害の発生とその由来、さらには治療のあり方を探る。 自己愛性人格障害の治療についてまとまった本というのはこれまで和田秀樹氏の著作のほかになかったのではないでしょうか。
医療現場におけるパーソナリティ障害—患者と医療スタッフのよりよい関係をめざして 林直樹著/医学書院/2940円/ISBN4-26000-185-X ☆☆☆ パーソナリティ障害の性質や特徴などの基本的な知識から、最新の研究知見までを紹介。また、臨床現場で遭遇する代表的な問題とその対応策について、実際の症例を通して詳しく解説する。
境界性人格障害患者の理解と看護境界性人格障害患者の理解と看護new 阿保順子著/精神看護出版/2520円/ISBN4-86294-000-5 ☆☆ 境界性パーソナリティ障害(BPD)の患者さんの看護にあたられているかたのためにBPDについて、またその看護という立場からの方法論が書かれています。
境界性パーソナリティ障害—日本版治療ガイドライン境界性パーソナリティ障害—日本版治療ガイドラインnew 牛島定信著/金剛出版/3570円/ISBN4-77241-041-4 ☆☆☆ 境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療に長年かかわってきた医師らによる個人精神療法についての研究書。BPD研究の現況から、症例の検討、個人精神療法の実際、治療過程で生じる困難な状況と対応などを解説。
境界性パーソナリティ障害の精神療法—日本版治療ガイドラインを目指して境界性パーソナリティ障害の精神療法—日本版治療ガイドラインを目指してnew 成田善弘著/金剛出版/3360円/ISBN4-77240-931-9 ☆☆☆ 境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療に長年かかわってきた医師らによる個人精神療法についての研究書。BPD研究の現況から、症例の検討、個人精神療法の実際、治療過程で生じる困難な状況と対応などを解説。
パーソナリティ障害がわかる本—「障害」を「個性」に変えるために 岡田尊司著/法研/1575円/ISBN4-87954-625-9 ☆☆ パーソナリティ障害は生きづらさ、虐待、不可解な犯罪等の背景として重視されている。そんな障害を魅力的な「パーソナリティ・スタイル」として円熟させるために、本人や周囲の人ができる対応と克服方法を考えていく。
BPD(境界性パーソナリティ障害)を生きる七つの物語 ジェロルド・クライスマン著/星和書店/2625円/ISBN4-79110-634-2   準備中
パーソナリティ障害ーいかに接し、どう克服するか 岡田尊司著/PHP/819円/ISBN4-5696-3525-3   準備中
人格障害の時代 岡田尊司著/平凡社/756円/ISBN4-5828-5229-7   準備中
依存性パーソナリティ障害入門 矢幡洋著/日本評論社/1785円/ISBN4-53556-218-0   準備中
なぜ自分を傷つけるの?—リストカット症候群 10代のセルフケア アリシアクラーク著/大月書店/1365円/ISBN4-27240-541-1   準備中
心の傷が見えればいいのに 佐伯香音著/文芸社/1155円/ISBN4-28601-319-7  

当サイトの利用者の方が、心情がとても繊細に書かれていて同じような悩みをもつ方に是非読んでもらいたい本とおっしゃっておられました。

ここは私の居場所じゃない—境界性人格障害からの回復new レイチェル・レイランド著/星和書店/2940円/ISBN4-79110-633-4 ☆☆ レイチェルという女性が境界性人格障害と戦ってきたノンフィクションです。一h番の薬は「愛」なんだと教えられる一冊。境界性パーソナリティ障害の患者さんや周囲の方におすすめ。
魂の声 リストカットの少女たち -私も「リスカ」だった 小国綾子著/講談社 /1365円/ISBN4-06212-920-5   準備中
ブラッドレッティング—リストカットの闇を生きたヴィクトリア ヴィクトリア・リーサム著/ 竹書房 /680円/ISBN4-81241-804-6   準備中
リストカット—誰か気づいてくれたら… 岡田敦著/窓社/1995円/ISBN4-896-250699   準備中
人格障害かもしれない 磯部潮著/光文社/735円/ISBN4-334-03194-3 ☆☆ 境界性人格障害の光と影の部分について、非常に的確な指摘を自らの臨床経験を踏まえて、冷静で客観的な立場からわかりやすく説明している本です。新書サイズなので読みやすく、初心者にもおすすめします。
人格障害論の虚像-ラベルを貼ること剥がすこと 高岡健著/雲母書房/1800円/ISBN4-87672-130-0 ☆☆ 輸入精神医学が貼りつけるラベルをていねいに剥がし、人格の危機形成とくに家庭や社会環境の影響に対する考察から独自の人格障害論を打ち立てています。「人格障害とは自分探しである」という持論にとても共感し、久々に読みごたえがありました。
人格障害の臨床評価と治療

林直樹著/金剛出版/4410円/ISBN4-7724-0755-3

☆☆

2002年10月発行の最新の本。人格障害治療にあたっている臨床関係者向けの本ですが、巻末のFAQなど人格障害に対する対応の仕方に関してよく書かれており、一般の人や家族などが読んでもとてもためになる一冊です。筆者の暖かいまなざしがしばしば感じられます。ただ少し専門的です。

日常診療でみる人格障害 狩野力八郎他著/三輪書店/2415円/ISBN4-89590-203-X ☆☆ 医療関係者に人格障害とは何かということを理解させ、適切な対応法を教えるための本。DSM-IV-TRをも踏まえた最新の人格障害概説書としては、最新の情報を網羅。後半は対談になっており、治療現場の最新の様子がわかります。一般読者向けではないですが読みやすいのでお勧めです。
人格障害とその治療』  町沢静夫著/創元社/3000円/ISBN4-422-11290-2 パーソナリティーという概念から各人格障害の概念の形成過程を人物、歴史、理論、統計データなどを中心に解説しているやや専門的な内容になっています。町沢氏のBPDの最新の研究成果の集大成。
ボーダーラインの心の病理 町沢静夫著/創元社/1800円/ISBN4-422-11139-6 10年以上前に出版されているので、多少データが古いかもしれませんが、いくつかの統計データなどを交え、人格障害の理論的背景などがわかりやすく書かれています。
河合隼雄・成田善弘編/日本評論社/ ISBN4-535-60757
境界例について、数人の専門家が様々な見解を述べています。まだこの分野が模索されている最中であることがよく伝わってきます。
ボーダーライン 自己を見失う日本の青年たち 町沢静夫著/丸善/1680円/ISBN4-621-07142-6 日本のボーダーライン研究の第一人者の町沢静夫氏の前著『ボーダーラインの心の病理』の情報をすべて最新のものにアップデートした最新刊。氏独自の研究成果も含めて治療の最先端をわかりやすく網羅。
王子さまを探す女、お姫さまを待つ男 町沢静夫著/佼成出版社/1470円/ISBN4-333-01920-6

人格障害をとりまく環境(社会、家族、恋人、結婚など)に対して、間違った自分探しをしてしまう若者像がわかりやすく書かれています。

魂の穴 山口麗子著/文芸社/1050円/ISBN4-8355-5821-9 ご自身が境界性人格障害から回復された、山口麗子さんの手記。山口さんは当サイトの掲示板にもいらしてくださいました。子育てや離婚、自殺未遂などを乗り越えてこられた彼女の心の言葉を綴った名著です。
人格障害の精神療法 福島章・町沢静夫編/金剛出版/2800円/ISBN4-7724-0612-3   境界性人格構造(BPO)を唱えたカーンバーグの理論に基づいた、各人格障害の精神療法について、ケースを交えて詳しく書かれている精神医学の専門書です。
あなたの身近な「困った人たち」の精神分析—パーソナリティそのミクロな狂い 小此木啓吾編/大和書房/1500円/ISBN4-479-79003-9   DSM-IIIRの疾病分類に基づいて1995年に書かれた本なので、情報が多少古いのですが、特に第9章以降は人格障害(著者はパーソナリティ障害という呼び名を好んでいます)についてわりと詳しく書かれています。「困った人」シリーズで類書もあります。
『「imago」1990年10月号−特集境界例』 青土社/850円   少し記事内容が古くなってしまったものの、専門雑誌ならではの豪華な論客による様々な境界例への視座に触れることができます。私にはとてもわかりやすい一冊でした。
人格障害の心理療法 臨床心理学大系 福島章他著/金子書房/5500円/ISBN4-7608-9339-3   各人格障害に関して、適切な精神療法を行なうためのノウハウがぎっしりと詰まった一冊。現場からの示唆に富む症例や各人格障害の特徴とその対応などについてとてもわかりやすく書かれている。
人格障害の認知療法 A.T.ベック著井上和臣他訳/岩崎学術出版社/5500円/ISBN4-7533-9707-6   認知療法の創始者ベックが人格障害のために書き下ろした人格障害認知療法を解説した貴重な一冊。精神分析や自己分析などで考え過ぎて、頭がグルグル強迫状態になった時、体操をする感覚で読まれるといいかもしれません。
境界例の精神療法 福島章編/金剛出版/3000円/ISBN4-7724-0403-1   下の『境界例の臨床』と併せて、精神医学の立場からの境界性人格障害の詳しい記述がなされている。内容はほとんど精神医学書なので、ちょっと難しいかも知れません。
パーソナリティ障害 (こころの科学セレクション) 福島章著/日本評論社/1470円/ISBN4-53556-101-X   パーソナリティの障害とはなにか?境界例、ヒステリー、多重人格…しばしば社会との不適応を起こし、パーソナリティに偏りがあるとされる人々。研究の歴史から治療まで、コンパクトに解説。
境界例の臨床 牛島定信著/金剛出版/5000円/ISBN4-7724-0363-9   力動精神医学が専門の著者が精神科の臨床に携わる人向けに書いている本なので、事例研究などが中心とはいえ、わりと難しい類いの本だと思います。
人格障害とは何か 鈴木茂著/岩波書店/2300円/ISBN4-00-023357-2   表題に惹かれて買いましたが、人格障害を安易に犯罪と結び付けて語ろうとしているところが好きになれなかった本です。わかりやすい本でもなく、決しておすすめしません。
対象関係論とその臨床

O.カーンバーグ著前田重治監訳/岩崎学術出版社/5250円/ISBN4-7533-8301-6

 

DSM-IIIの境界性人格障害、境界パーソナリティ構造を提唱したカーンバーグの著書で現在入手できる数少ない著作。境界性人格障害の臨床を対象関係論の立場からシステマティックに描いている。

「精神科治療学」選定論文集<境界例>論文集 星和書店/3800円/ISBN4-7911-0370-X   私個人としては、かなり参考になった貴重な資料でした。こうした最先端の治療の成果や試行錯誤を伺わせる論文集が今後も出版されることが望まれます。
人格障害の臨床評価と治療

林直樹著/金剛出版/4410円/ISBN4-7724-0755-3

 

2002年10月発行の最新の本。人格障害治療にあたっている臨床関係者向けの本ですが、巻末のFAQなど人格障害に対する対応の仕方に関してよく書かれており、一般の人や家族などが読んでもとてもためになる一冊です。筆者の暖かいまなざしがしばしば感じられます。

重症人格障害の臨床研究

狩野力八郎著/金剛出版/4410円/ISBN4-7724-0753-7

 

上記の本と同じく、2002年10月発行の最新の本です。カーンバーグ、コフート、マスターソン、ウィニコットなどクライン以降の精神分析、とくに力動精神医学と対象関係論の視点から最新の人格障害の治療技法を紹介している精神医学書です。一般の方が読まれるには少し難しいかもしれません。

壊れた心をどう治すか

和田秀樹著/PHP研究所/1080円/ISBN4-569-62458-8

 

和田秀樹さんの自己愛についての新書『自己愛と依存の精神分析』の続編です。ボーダーラインと自己愛について、カーンバーグとコフートの考え方や最新の情報を織りまぜてとてもわかりやすく書かれています。一般の方が読まれるに最適です。

『「臨床精神医学」1999年11月号特集人格障害をめぐる諸問題』 アークメディア/4725円   精神科医などが読むための学術専門雑誌なので、学術論文、研究論文が中心で、価格は高価ですが、最新の研究成果などが発表されていて、非常に参考になりました。書店店頭ではまず手に入りませんが、取り寄せることはできると思いますので、興味のある方はぜひ。
境界例の治療ポイント 平井孝男著/創元社/1575円/ISBN4-422-11280-5 × 初心者用にQ&A方式で書かれているのですが、どうも裏目に出ているようで、情報が包括的でなく、断片化してしまってかえって読みづらい印象を持ちました。臨床経験もあるはずの著者の境界性人格障害に対する認識も(?)という感じを少し受け、この期に及んで境界例という言葉を使っている時点で私はちょっと引いてしまいました。あまりおすすめはできません。
精神医学レビューNo.20境界パーソナリティ障害(BPD) 小此木啓吾・大野裕編/ライフ・サイエンス/2800円/ISBN4-89801-129-2   準備中
青年期境界例の精神療法 J.F.マスターソン著作田勉他訳/星和書店/3800円/ISBN4-7911-0072-7   準備中
自己愛と境界例 J.F.マスターソン著富山幸佑他訳/星和書店/4660円/ISBN4-7911-0202-9   準備中
境界例と自己対象 G.アドラー著近藤三男他訳/金剛出版/3500円/ISBN4-7724-0593-3   準備中
境界例・重症例の心理臨床 山中康裕他著/金子書房/4000円/ISBN4-7608-9275-3   準備中
「現代のエスプリ」別冊 人格障害 成田善弘編/至文堂/2400円/ISBN4-7843-6001-8   準備中
『「こころの科学」93 人格障害』 福島章編/日本評論社/1143円/ISBN4-535-13993-8   準備中
気分障害
『ツレがうつになりまして。 準備中 ☆☆☆ スーパーサラリーマンだったツレ(夫)が、ある日突然「死にたい」と言い出した! 嫁とともに送る生活の中で回復していく彼の姿を、ユーモアあふれるマンガで描く、純愛「うつ」ストーリー。
『うつ病新時代—双極2型障害という病 準備中 ☆☆☆ 準備中
『うつ病を体験した精神科医の処方せん 準備中 ☆☆☆ 準備中
『あなたの大切な人が「うつ」になったら—治すために家族や友人ができること、できないこと 小野一之著/すばる舎/1470円/4-88399-614-X ☆☆☆ 元気になって欲しい!休ませる、励まさない、話を聞いてあげる、焦らせない、干渉しすぎない。「身近な人」だからこそ、助けてあげたい、力になりたい—うつ病経験者が語る「うつ」に陥った人との接し方。
田辺功著/西村書店/1470円/ISBN4-89013-630-4 ☆☆ 『お医者さんも知らない治療法』第2弾。画像で見えるから治ったことがわかる。新しい診断と治療・予防法。
渡辺昌祐著/保健同人社/2079円/ISBN4-83270-242-4 ☆☆☆ うつ病のことをまず知りたいならこの本をおすすめします。うつ病とはどういう病気か、なにをすべきでなにをすべきでないか、治療法など、患者にとっても家族にとっても、それ以外の人にもわかりやすい本です。
D.バーンズ著/野村総一郎他訳/星和書店/3680円/ISBN4-791-10206-1 ☆☆☆ 最ちょっと厚いのと日本語の翻訳がやや読みづらいのが難点ですが、自分でできる認知療法をわかりやすく解説している本としてはおすすめです。ちなみに、著者のバーンズ氏は、認知療法の創始者のA.ベック氏のお弟子さんだそうです。
大野裕著/PHP研究所/660円/ISBN4-569-61084-6 ☆☆☆ 最近出ているうつ病の入門書としては、最新の情報も網羅していて、なおかつわかりやすい本です。ただ、境界例などのうつ状態についての記載がないのが残念。
ビーリング,P.J.著・野村総一郎他訳/星和書店/2940円/ISBN4-79110-696-2 ☆☆☆ うつ病の悪循環を断ち切るためにすぐに実践できる科学的な技法を紹介。うつ病の概念と薬物療法が分かりやすく説明されている。練習部分が明快で分かりやすく取り組みやすく説明されている。マインドフルネス(気づき)・対人関係療法など最新の技法や概念が取り入れられている。認知療法を基本に置き、ステップ方式でうつ病の再発・再燃に対処するための実践書。
田村浩二著/創元社/1365円/ISBN4-422-11269-4 ☆☆☆ 「一人で悩まないで」「もうあなただけではありません」。実際に二度の休職を経験した著者が、赤裸々に語る「うつ」と「仕事」。経験者ならではの「すぐに職場で使える実践的テクニック」も満載。
new 下園壮太著/日本評論社/1785円/ISBN4-53556-214-8 ☆☆☆ つらい「うつ」からの脱出をはかるための「プチ認知療法」として、停滞感を乗り越える「細切れ目標達成法」や、不安がり体質を改善する「いいとこ探し30」など、自衛隊で心理学を教える著者ならではの自信回復作戦を紹介。
デニス・グリーンバーガー他著・大野裕他訳/創元社/1800円/ISBN4-422-11269-4 ☆☆ 日本のうつ病の認知療法の第一人者、大野裕先生が最近出された訳書です。ワークシートが付いていて、このページをコピーして使うと良いでしょう。私も頭のなかにマイナス思考がグルグルし始めた時、このワークシートで頭の中を整理するとスッキリします。
精神分析
小此木啓吾編/日本評論社/1400円/ISBN4-535-56076-5 精神分析の入門書としては、フロイト理論の歴史的背景から始まり、症例なども当時の古いものであったり、精神分析の解説も教科書風で無味乾燥なものが多いが、この本は最新の精神分析の動向、とくに精神医学とのかかわりとその潮流について詳しくわかりやすく述べられている。
精神医学
墨岡孝著/ナツメ社/1575円/ISBN4-8163-3525-0 ☆☆ komorebiの主治医の先生が書いた新著です。初心者にわかりやすく最先端のさまざまな心の病、精神医学のエッセンスを解説しています。
その他
相田くひを他著/太田出版/1600円/ISBN4-87233-489-2   SSRI、SNRIをはじめとする抗うつ薬のほか、様々な向精神薬が詳しく紹介されています。薬は効き目に個人差があるので、あまり鵜呑みにするのは危険ですが、体験記などもある程度参考になります。
太宰治著/新潮社/200円/ISBN4-10-100605-9   小説の時代背景は昔ですが、現代人のこころにもきっとある虚無感、つい道化を演じてしまう苦しさ、体裁ばかり繕う人々の偽善に疲れる太宰の姿に共感を覚えると思います。

 

★おすすめの音楽 ★

当サイト『デボルデ』のテーマソングや野島伸司ドラマ高校教師でご存じの「ぼくたちの失敗」など。

歌手名
内容、感想など
森田童子
♪〜安全カミソリがやさしくボクの手首を走る〜静かにボクのいのちは吹き出して〜真夏の淋しい蒼さの中でボクはひとりやさしく発狂する〜♪【逆光線より】死と虚無感を透明な声で歌う森田童子もボーダーだったのかもしれません。うつにもボーダーにも聴きやすいのでおすすめ。

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★おすすめの映画 ★

うつ病や境界性人格障害とはまったく関係のない映画も含まれています。あらかじめご了承下さい。

邦題
内容、感想など
『17才のカルテ』
ウィノナ・ライダー演じる境界性人格障害の少女が精神病院に入院し、退院していくまでの友人とのさまざまな出来事を描いています。
『ベティーブルー』
一途な愛の喜びと切なくも悲しい物語。主人公のベティは境界性人格障害を描いているのではないかという声が多いが、真相はわかりません。
『危険な情事』
こちらも、主人公の女性が境界性人格障害の典型ではないかという声が多いです。
『アリゾナ・ドリーム』
心の病んだ未亡人はことあるごとに自殺をほのめかし、家族を巻き込んで騒動を起こす…。未亡人は境界性人格障害で、その娘はうつ。そんなふたりに恋するジョニーデップ。話題を呼んだ作品。
『アナライズミー』
ロバート・デ・ニーロ演じるマフィアと精神分析医との暖かいユーモアを交えた交流。医者も人間なんだなと感じます。二作目もあるらしいです。
『パッチ・アダムス』
ロビン・ウィリアムス演じるパッチは自殺癖を抱えていて、自分で精神病院に入院。そこで他の患者と交流していくうち、自分が医者になり親身になって患者を助けたいという目標を見つける。実話らしい。
『青い夢の女』
『ベティ・ブルー』のジャン・ジャック・ベネックス監督の作品。ジャン・ユーグ・アングラード扮するパリの精神分析医が女性の患者の精神分析中にエロティックな夢の世界へ入っていってしまう、ブラックコメディ。
『奇人達の晩餐会』
フランスでタイタニックを超すヒットになった作品。切なくヒューマンなコメディ。ここ近年では一番よかったです。
『アニーホール』

ウディ・アレン監督の初期の作品。最近の作品でもそうだが、精神分析の面接場面などが登場します。恋人との別れがテーマ。

『ビューティフルマインド』

統合失調症(精神分裂病)の天才数学者である主人公を扱った感動作品。

『セントオブウーマン』

直接メンタルヘルスには関係ありませんが、こころの傷が癒える作品。


★テレビドラマ★

番組名
内容
『心療内科医涼子』
1997年のテレビドラマ。第8話のテーマが境界性人格障害でした。BPDを心療内科医が診るというのは、実際はかなり少ないと思うのですが、あくまでもドラマなので(^^;

★論文★

番組名
内容
『青年期の突発的攻撃衝動と自己愛の関連性』

komorebiが2003年の春、臨床心理学系の大学院を受験する際に作成した研究計画書です。もう必要が無いので、公開します(^^;なんの役にも立たないかもしれませんが。(Wordファイル)

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