(2012年11月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
欧州の不動産会社の社債発行が増加している。年初からの発行額はすでに昨年の2倍に近づいており、今年は記録的水準に達しそうだ。銀行融資からのシフトが鮮明になっている。
■年末までに過去最大の200億ユーロへ
フィナンシャル・タイムズ紙が入手したデータによると、不動産企業は今年1~9月に社債、私募債、個人投資家向けの小口債券などで154億ユーロを調達した。2011年は年間で83億ユーロだった。このペースが続けば、年末までに約200億ユーロに達し、年間で過去最大となる。
こうした社債への投資家の需要は底堅く、発行コストも低い。今年発行された134の社債の表面利率は平均4.74%にとどまっている。市場では欧州の銀行よりリスクが低いと評価されているようだ。
特に目を引くのは仏最大手の不動産投資信託(REIT)、ユニベイル・ロダムコの発行額7億5000万ユーロの5年債で、表面利率は0.75%だった。もっとも、全体では同族経営などの小企業が100万~500万ユーロを調達するケースが多い。
英不動産調査会社DTZのハンス・ブレンゼン氏は、社債発行急増の理由は2つあると話す。「不動産会社が多額の資金をすぐ調達したい場合、欧州にはそうした融資を実行できる銀行がない」と指摘。さらに、多くの不動産会社が「伝統的な銀行融資だけでなく、資金調達手段を多様化したいと考えている」という。
同氏は不動産会社が社債で調達した資金の多くはM&A(合併・買収)や事業拡大に使われるのではなく、既存の銀行融資と置き換えられているだけとも指摘する。
■銀行からの融資が急減
不動産会社への融資はここ5年で急減した。欧州銀が金融危機前に積み上げた数十億ユーロの負債の圧縮に動いているためだ。独コメルツ銀行や仏ソシエテ・ジェネラルなど欧州有力銀の一部は不動産向け融資をすべて棚上げしている。国際的な新銀行資本規制(バーゼル3)が来年導入されると、不動産担保融資のリスクに対応するための資本が増額される。不動産セクターへの融資を手控える動きは一段と広がりそうだ。
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