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政治
【衆院選】「振り子」の政治(上)チルドレンの限界
劇場型選挙の末に
21年8月の前回衆院選。民主党は「郵政民営化」を「政権選択」に置き換え、刺客戦法も取り入れ、小泉氏さながらの劇場型選挙に持ち込んだ。その結果、元民主党代表で「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が選挙の“世話役”となった「小沢チルドレン・ガールズ」と呼ばれる民主党議員が143人も誕生した。小泉チルドレンは83人中、わずか10人しか再選しなかった。
政治評論家の小林吉弥氏(71)は「将来を託せる可能性がある人はゼロではない」としながらも、「チルドレンは頭数に過ぎず、結局は政権選択選挙の落とし子。党もそれ以上の“使い方”が見つからないのだろう」と断じた。
自らも小泉チルドレンでチルドレン紹介本「UBUDAS(うぶだす)」の編集幹事を務めた赤池誠章元衆院議員(51)は自戒を込めて言う。「取り組むべき問題は多様化した。『白か黒か』だけでは選べない。選挙が相手をつぶすためだけの道具になってはいけない」
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大きく揺れ動く「振り子」のように、勢力図が一変する近年の選挙戦。振れ幅を決める民意の「風」とは何か。その行方を探る。
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【用語解説】郵政選挙
平成17(2005)年9月11日に行われた第44回衆院選の通称。小泉純一郎内閣が最重要課題と位置づけていた郵政民営化関連法案が同8月8日、参院で自民党から反対22人、棄権8人の大量造反を出し、否決された。小泉首相は自ら「郵政解散」と名付けて解散・総選挙を表明。民営化反対派が自民党を離党すると、小泉首相はその選挙区に「刺客」候補を立てた。結果は480議席中、自民党が296議席を占めて圧勝。「小泉劇場」はこの年の流行語大賞に選ばれた。
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