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政治
【衆院選】「振り子」の政治(上)チルドレンの限界
ふわっとした民意
郵政選挙で初当選を果たした「小泉チルドレン」と呼ばれる自民党新人議員は83人。「郵政民営化関連法はタウンページ6冊くらいの分厚さ。有権者で読んだ人はいないでしょう。小泉さんなら何かをしてくれるという、ふわっとした期待感があった」というのが杉村氏が感じた民意だ。
選挙プランナーの野沢高一(こういち)氏(53)は小泉氏の手法を「『応援』から『選択』に選挙の質を変えた。郵政と言いながら、実際は直接首相を選ぶ公選制に近かった」と振り返る。
選挙翌年以降、首相が次々と交代したことで、杉村氏の疑問はさらに膨らんだ。麻生太郎元首相(72)が21年、国民に1万2千~2万円を配布した定額給付金は、杉村氏の目には「バラマキが復活し、変わったはずの政治が元に戻った」と映ったという。
チルドレンも変質した。しがらみのなさが特権だったはずが、生みの親を失ってから半数以上が派閥入り。杉村氏自身も議員としての「存在理由」を見失っていった。杉村氏はチルドレンを「派閥政治の草刈り場」と表現し、郵政選挙をこう総括した。
「政治の核とはいえない政策1点だけが争点になった。本当に国民のためになったのか。自己否定になるが、郵政選挙のようなやり方は禁じ手。二度とあってはいけないと思う」
(次ページ)チルドレン、ガールズ…そしてベイビーズ
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