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政治
【衆院選】「振り子」の政治(上)チルドレンの限界
万歳三唱の後、「またここで会おう」と議員同士が握手を交わした。衆院が解散した今月16日、熱気を帯びる議場の様子を、元衆院議員、杉村太蔵(たいぞう)氏(33)は東京都内の自宅のテレビで見つめていた。「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、脱原発、消費税…。国民にとってはまた、難しい選択になるな」との思いを巡らせた。
民主党が政権交代を果たす直前の平成21年7月までの約4年間、「小泉チルドレン」として議員バッジをつけた。タレント活動を続ける傍ら、今でも政治への関心は持っている。だが、衆院議員として何ができたのか、何が求められていたのか。答えは出ていない。
小泉純一郎元首相(70)が対立候補へ「刺客」を送り、郵政民営化の是非を争点とした17年9月の「郵政選挙」。公募締め切り2日前に「小泉さんへのファンレター」(杉村氏)のつもりで出した論文が党幹部の目に留まり、比例単独で出馬した。投開票日翌日の同月12日には、朝から勤務先で会議を入れていた程度の「覚悟」だった。
このため当選直後から戸惑いの連続だった。「早く行ってみたいですよ、料亭に」などの失言で猛烈なバッシングも受けた。皮肉にも郵政民営化関連法案は翌10月、スピード成立する。
「選挙の争点は1つだった。その法案があっけなく成立した。あれ? これで終わっちゃった…」
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