千葉県流山市で1997年5月、会社員田島由美さん(当時24)が殺害された事件の裁判員裁判で、千葉地裁は21日、強盗殺人罪などに問われた当時17歳の元少年(33)に求刑通り懲役15年を言い渡した。斉藤啓昭裁判長は「遺族の悲しみは深く、絶望感にさいなまれている」と述べた。
判決によると、元少年は97年5月18日、被害女性のマンションに侵入し、キャッシュカードを奪い強姦(ごうかん)。包丁で背中を刺し、タオルで首を絞めて殺害した。事件をめぐっては、千葉県警が遺族ら3人を誤認逮捕する問題が起きた。
判決は、捜査段階から一転して殺害を否認した被告の主張に対し、現場の状況などを踏まえて「信用できない」と指摘。犯行は盗み目的で計画性はなく、無期懲役が相当と判断。18歳未満が無期懲役相当とされた場合、懲役10〜15年に軽減すると定めた事件当時の少年法を適用し、上限を選択した。
裁判員を務めた20代の男性会社員は判決後の記者会見で、事件当時の少年法を適用することについて「最初は正直おかしいと思ったが、裁判長が納得いくまで話してくれた」と語った。