冊封料理 中国人の研究者らが復元

復元された冊封料理の食材や調理法などについて説明する〓揚華さん(右)と沙佩智さん=22日、江蘇省蘇州市「呉門人家」

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2012年11月25日 09時39分
(24時間30分前に更新)

 【江蘇省蘇州市=上間昭一】食材の記録はあるが調理法が分からない琉球王朝時代の冊封(さっぽう)料理が22日、中国の研究者と料理人の手で初めて、冊封使の故郷中国で復元された。琉球料理のルーツ解明、中国と琉球の交流史の研究に大いに寄与すると期待される。

 「通航一覧」「随息居飲食譜」「庭訓格言」など古い資料を読み解き、復元を主導した「徐葆光(じょほこう)の道を歩もう会」副理事長の〓揚華(ウヤンファ)さんは「やっと一つの到達点に達した。うれしい」と話し、「冊封料理は中琉交流史の中で重要な役割を担う。本家本元の中国で復元できた意義は大きく、交流史を研究する上での重要な足掛かりになる」と述べた。

 復元は蘇州料理の名店「呉門人家」で行われた。会場には「水亀(スッポン)の姿蒸し」「骨抜き豚足炒め」「ツバメの巣スープ」など主菜20品をはじめ、点心やデザートが第1膳から第5膳まで全49品並べられ、豪華絢爛(けんらん)。徐葆光が見た琉球・映画製作委員会メンバーで、料理を試食した田中千恵子さん=浦添市=は「ほんとに素晴らしい」と感嘆の声を上げた。

 蘇州市民俗学会飲食文化研究会(寧方勇(ねいほうゆう)会長)事務局長で呉門人家を経営する沙佩智(さはいち)さんは「料理が沖縄の食文化に与えた影響や、中国と琉球の交流に果たした役割なども今後、解明したい」と語り、沖縄にない食材で復元する際の代用品の研究に意欲を示した。

 料理は同店総料理長の史俊生(ししゅんせい)さんを中心に同店の料理人がおよそ4カ月かけて開発した。調理法は清代から受け継ぐ伝統の技を駆使。〓さんら研究者の指導を受けながら素材に合わせた工夫を随所にこらした。

 蘇州市人民政府や蘇州大学も支援。同市対外合作交流センターの周昊(しゅうこう)センター長は「今回の復元は清代食文化の研究に大きな弾みとなる。沖縄との交流にも大いに役立つ」と話した。

※(注=〓はへんが「烏」でつくりが「おおざと」)

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