マイクロソフト:「ウィンドウズ8」発売 タブレット対応
毎日新聞 2012年10月26日 20時19分(最終更新 10月27日 01時01分)
【ワシントン平地修】タブレット端末人気の波に乗ろうと、パソコン界の巨人、マイクロソフトが、新たな基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8(エイト)」を売り出した。画面を触ってパソコンを操作できるタッチパネルに対応するなど、17年前の「ウィンドウズ95」以来の大幅なOS刷新で、タブレット需要の取り込みを図る。
「マイクロソフトにとって新たな時代の幕が開いた」。スティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は25日、ニューヨークで開いたウィンドウズ8の発表会で「パソコンとタブレットの最もよいところを組み合わせた」と自賛した。
使い勝手の良さで、世界にパソコンを普及させる原動力になったウィンドウズは、現在でもパソコンの約9割に搭載されている。しかし、米アップルが2年半前に発売した「iPad(アイパッド)」などのタブレット端末がシェアを伸ばす一方、パソコンの売れ行きは頭打ちに。タブレット向けのOSでは、アップルの「iOS」のほか、グーグルが無償提供する「アンドロイド」の先行を許し、マイクロソフトの出遅れが目立っていた。
このためウィンドウズ8は、画面上で指先で操作できるタッチパネル機能を盛り込み、タブレット端末に対応した。同時にウィンドウズ8を搭載した独自のタブレット端末「サーフェス」を26日に欧米などで発売し、モバイル(携帯)市場に本格的に乗り出した。
迎え撃つアップルのクックCEOは25日の決算発表で、サーフェスを「かなり出来が悪く、複雑そうな製品だ」とこきおろした。アップルやグーグルに比べると、利用できるアプリ(ソフト)もまだ少ない。マイクロソフトが、タブレット分野でも存在感を示せるのか。命運がかかっている。