沖縄県・尖閣諸島の問題を受けて中国各地で起きた反日デモで、日系企業が相次ぎ襲撃された山東省青島市の日系自動車メーカーの販売店には、2カ月以上たったいまも黒こげの車が多数、放置されていた。広東省広州で22日に開幕した「広州モーターショー」の華やかさとは対照的な光景が広がっている。
青島市で反日デモが暴徒化したのは、市中心部とは膠州湾を隔てて西側の黄島地区。約50社の日系企業が集まる経済技術開発区の通り沿いに並ぶトヨタ自動車とホンダの販売店は、いずれも9月15日のデモで建物や展示車などが全焼した。
販売店の周囲はシートで覆われていたが、建物の鉄骨は折れ曲がり、100台近い乗用車のガラスは軒並み割られ、一部はひっくり返って黒焦げになったまま無残な姿をさらしていた。商談用のイス、テーブルなど残骸も散乱したままで、後片付けもされていない様子だった。
この開発区で襲撃を受けたパナソニックの工場は建物や設備を修復して操業を再開したが、近接するミツミ電機の工場は建物の外壁や窓ガラスなどが壊され、ひっそりと門を閉ざしていた。守衛は「いつ再開するか、閉鎖するのか、なにも聞かされてない」とつっけんどんに話した。(青島 河崎真澄、写真も)