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米 クリスマス商戦で知恵絞る
11月24日 6時36分

米 クリスマス商戦で知恵絞る
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アメリカでは例年、11月の感謝祭明けの金曜日がクリスマス商戦のスタートです。
この日は、どんな店でも黒字になるという意味で「ブラック・フライデー」と呼ばれています。
ただ、ことしは、景気の先行きの不透明感が増していて、店側は少しでも多くの客を呼び込もうと知恵を絞っています。

「ブラック・フライデー」前日のニューヨーク。
多くの店には、すでにたくさんの行列が出来ていました。
ニューヨークのタイムズスクエアにある、おもちゃの販売店では、並んだ客にサンタクロースの帽子を配り、クリスマスムードを盛り上げました。
セールの開始も、前日、木曜日の午後8時に前倒ししました。
ここ数年、クリスマスセールを、「ブラック・フライデー」前日の木曜日の夜に始めるのは当たり前になりつつあります。
特にことしは、その動きが加速しました。
背景にあるのは、いわゆる「財政の崖」の問題です。
アメリカでは、年末から減税の打ち切りと歳出削減が相次ぎ、急激な財政の引き締めが行われて、景気が崖を転がり落ちるように悪化する懸念が広がっています。
店側には、消費の冷え込みに備えて売り上げを確保したい思惑があります。
危機感は、店頭に並んだ商品にも表れています。
日本円で5000円程度の子供用のタブレット端末や、1万5000円程度の大手メーカーの人気のゲーム機は、いずれも通常の半額です。
いわば客寄せのための商品ですが、この店では、こうした商品の品数を例年より50%も増やし、値引率も大幅に高めたといいます。
さらに、新たな購買層の開拓も行っています。
人口が急増している、中南米出身の、いわゆる「ヒスパニック」系の人たちに向けた商品を、例年より充実させています。
ヒスパニック系の女優がデザインしたブランドも登場しました。
このブランドの商品は、鮮やかな色使いに露出度の高い服で、冬でもセクシーに大人びて見えると、ヒスパニック系の幅広い層で人気を集めています。
店は、あの手この手で消費を喚起しようと、工夫をこらしています。
アメリカのGDP=国内総生産の7割を占める消費の落ち込みを回避することができるのかは、クリスマス商戦の行方にかかっています。

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