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国際
環境問題で米中摩擦? 北京と上海で米公館が大気汚染測定、中国反発「内政干渉だ」
2012.6.6 20:41
【上海=河崎真澄】中国の北京と上海両市で、米国の公館が独自に行っている大気汚染の観測とデータの公表に、中国政府が「内政干渉だ」とかみつき、米中摩擦に発展しつつある。
北京の米大使館は昨年から、上海の米総領事館は先月から大気中の直径2・5マイクロメートルの超微粒子物質「PM2・5」をそれぞれ公館の敷地内で採取し、観測データを1時間ごとに公表して警戒を呼びかけている。
だが、中国環境保護省が5日、「外国の公館が中国で大気を測定しデータ公表することはウィーン外交関係条約に違反し、内政干渉だ」と批判。これに対し米国務省は同日、「内政干渉には当たらず、中止する計画はない」と反論した。
これに中国外務省は6日、「外国の公館は中国の法律を尊重し、無責任な行為を停止せよ」などと反発を強めて、米中間で“ジャブ”の応酬が始まった。
米国が公表した測定データで汚染度の高さが明らかになり、北京や上海の住民からは環境対策の遅れへの批判が強まっている。中国政府は対米批判で国内の指摘をかわす狙いがあったとみられるが、“国際問題”になったことで逆に、住民らは大気汚染問題への関心を高めている。
6日午後4時(日本時間同5時)時点の上海の米国総領事館の測定データは67で、6段階評価のうち2番目に良い「普通」だが、屋外での激しい運動などは控えるよう助言している。
中国政府も主要都市で今後、大気汚染データ観測を順次始めるとしている。
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