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桜木梨奈 桜木梨奈
舞台女優、ダンサーとして活躍していた桜木梨奈ちゃんが、大胆な濡れ場にも果敢にチャレンジした、映画デビュー&主演作『耳をかく女』が11月24日からレイトショー公開される。「絵菜のように、自分で人生を選んで初めて、心と生活の安定を獲得できるんだと思いました」と、鋭い観察眼を遺憾なく発揮する新人女優が、映画を通してその手に掴み伝えたかったこととは――。

撮影◎谷口達郎 取材・文◎内埜さくら

◆映画初出演、初主演にして本作ではヌードを披露していますね。戸惑いはありませんでしたか?
「若い男女が恋に落ちたらセックスをするのって普通のことじゃないですか。愛し合っていたらするものですよね。だから、戸惑いはありませんでした。あのシーン、カメラが回っているって意識がなかったんですよ。堀内監督の演出のお陰です。ただ、完成作品で初めてセックスをするシーンを観たら、初々し過ぎてキャーッ! って顔を隠してしまいました(笑)。一緒にお風呂に入るのに、いちいち言い訳を作るところとか」

◆主演はオーディションで掴んだと聞きました。
「事前にベッドシーンがあると聞いていたので、受かる前から覚悟はできていたというのもあります。だけど私、この役を演じられると思ってなかったんですよ。オーディション当日、私が一番手なのに駅から会場まで5分のところを30分以上も彷徨ってしまって、遅刻してしまったんです。遅刻したら受かるなんてありえないじゃないですか? でも、私のオロオロして自信を喪失した様子が、光田絵菜役とリンクしたらしくて。これ言っちゃってよかったのかな…もう絶対に遅刻はしません! ということで(笑)」

◆辛い経験をして難聴になる、絵菜の役作りはどのように?
「実は私の弟が後天性難聴で右耳に補聴器を付けているので、5年ほど前に借りたことがあったんです。だから私にとって難聴って、特異なことではなかったんですよね。ただ、絵菜のように突然感覚を閉ざされるっていう体験をしたことがなかったので、撮影の時に私はコンタクトを外してみました。裸眼で0.04なので常に視界がボーッとぼやけている感じでしたけど、そうすると観た方には虚ろな目になるらしくて、それも絵菜っぽくていいと監督には言って頂けました」


◆耳かき屋の店員として働くシーンも板についていました。
「撮影前に取材に行ったからかもしれませんね。担当してくれたのが劇中に出てくる愛さんのような癒し系の方で、私が話をしてると聴いてくれるし、話さなくても気まずくない雰囲気を作ってくれて、ザ・癒しって女性でした。根っこに音叉を当てて振動で汚れをとる器具も見せてもらいました。お母さんの膝枕でしてもらった耳かきを思い出して、宝物をゲットした気分になりましたね。お姉さんに聞いたら、働いている女性もマッサージに来る感覚で大勢、いらっしゃるんですって! あのゆったりとした空間で過ごせるなら、耳かき屋の店員になるのも悪くないなって思いました(笑)」

◆ほかに印象に残ったシーンは?
「海での撮影がすっごく寒かったことです! 6月の台風が来る直前で、相手役の中田(暁良)さんが震え続けていたので、私が手の甲を叩いて止めてあげました(笑)。あとは、絵菜が部屋でストッキングを脱ぎ捨てる撮影です。男の人って女性がカッコ付けずにストッキングを脱ぐところをなかなか見ることができないらしいから、見るとへえーっと思うらしいですよ」

◆本作は桜木さんにとってどんな作品になりましたか。
「絵菜が最後に、『うん、行かない』と言って新たな道へと出発するんですけど、私あのシーンが大好きで、だから私自身にとってもこの作品が出発点です。変な性癖や性格を持った人がたくさん出てくる作品ですけど、他人事として観てほしくなくて、あなたにもそういう一面がありますよ! ってことも、観た方が感じ取ってくれたらうれしいですね」

INFORMATION
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映画「耳をかく女」
映画「耳をかく女」

INFO&STORY
その時、私、ただ生きてるだけ、何も考えず、ただ生きてるだけだって気付いて…震災後、恋人に裏切られ、やっと掴んだ就職先も失った光田絵菜(桜木梨奈)は「耳」を閉ざした。行き場をなくした彼女は友人の紹介で皮肉にも「耳かき店」で働くことに。社会とは切り離された場所で絵菜は自分自身を見つめ始める。そんな時、絵菜の閉ざした耳に心を奪われた青年・川村吉伸(中田暁良)が現れる…。

CAST&STAFF
出演/桜木梨奈・中田暁良・広澤草・宇野祥平・笠原紳司・正木佐和・安藤一人ら
監督・脚本/堀内博志 製作/スターボード 配給/パーフェクトワールド
http://mimi-movie.perfect-world.me/
11月24日(土)より、新宿K's cinemaにてレイトショー公開

(C) スターボード

PROFILE
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桜木梨奈

桜木梨奈(さくらぎ・りな)
1990年4月11日生まれ 岐阜県出身
10年4月に女優を目指して上京。舞台「新撰組伝」「Father」「櫻の園」「青い鳥」「ロミオとジュリエット」などに出演する。11年3月より、音楽ユニットG-Friendsでダンサーとして活動開始。本作が映画デビュー作となった。13年全国ロードショーの主演、ヒロイン、メインキャストで出演する映画作品が5本公開待機中の注目株。公開情報など詳しくはブログでチェック。

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