| 仕事場を兼ねた新居で談笑する大原広軌さん(右)、由軌子さん夫妻=佐世保市天神町
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東京を拠点に活動していたフリーライターの大原広軌(こうき)さん(41)と、佐世保市出身で漫画家・イラストレーターの妻由軌子(ゆきこ)さん(41)が先月、同市天神町に一家4人で移住した。東日本大震災後の福島第1原発事故を受け「子どもを安心な環境で育てたい」と考え、仕事を続けながら定住を目指す。東京出身の広軌さんは「地元に飛び込んで、何か新しいことにも挑戦したい」と話している。
広軌さんは、20代後半で発症した自身のパニック障害を題材にした著書などを出版。テレビ番組の構成作家なども務め、現在はメールマガジン配信会社の外部ライターとして執筆・編集などを担当。由軌子さんは1999年広軌さんと結婚。これまでに結婚生活や子育てを描いた漫画作品などを出版。出版社などから仕事を受け活動している。
由軌子さんと長男(8)、次男(6)は3月中旬、佐世保の実家に移住。原発事故の悪影響を懸念したが、当初は「事故の収束後は東京に帰ろうと思っていた」(由軌子さん)。しかし、都会にはない豊かな自然を子どもたちがとても気に入ったという。
広軌さんは3月以後も東京で仕事を続けていたが、佐世保で暮らす子どもらの生き生きとした姿に移住を決意。会社の協力も得て、佐世保港を見渡せる高台に見つけた新居で先月中旬、一家そろって新生活をスタートさせた。
広軌さんは「市民の親切さや街の雰囲気が大好き」と佐世保での暮らしに満足げ。由軌子さんも「東京を離れるかどうか迷ったが、古里は子どもたちが見たことのない美しい景色ばかり。楽しく暮らしたい」と笑顔で語った。