美味しい竹芋虫を食べた
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昨夜友人とジャングルバーを訪ねたが、珍しいご馳走に出会った。 バーの主人Ｇちゃんがこれ知ってるかと竹筒から取り出したのは、タイ語でデー又はロット・ドゥアンと呼ばれる芋虫であった。 初来タイ時には土産として買って帰ったことがある。 しかし、塩味の虫の揚げモノ以外にはこれといった特徴はなく、 決して美味しいものではなかったことを記憶している。 しかし、Ｇちゃんの話では今この時期が一年中で一度しかない旬の食べ時で、 コンプーカオ（山岳民）から100バーツもの高値で買ったという。 で奥さんＫさんの虫料理を見ると、油で揚げるものとばかり思っていたら大違い、 塩をちょっと振り入れて鍋に水が無くなるまで虫を煮るそれだけである（写真）。 早速試食したがこれがすこぶるウマイ、 当然ながら油っぽさは全く無くほんのりと竹の子の香る上品な味である。 友人Ｎ氏とはチェンマイで喰った中でも最高の味として一致、 たちまち皿一杯を平らげてしまった。 × × × さてこの芋虫はタケに寄生する蝶の幼虫で、山奥の滝の傍に棲んでいる美しい蝶だというのでちょっと調べて見た。 するとこの竹芋虫は蝶ではなくツトガ（蛾）科すなわち蛾の一種で、 和名はタケツトガ、幼虫はタケメイガと各々呼ばれ、 英語名はそのままバンブー・キャタピラー（竹芋虫）である。 竹の子の皮の表皮にまとまって産卵する。 卵から抜け出た幼虫は一列になって集団で若竹をめざして移動、 タケの節間に孔を開けて中に侵入する。 なお、タイの別名ロット・ドゥアンは急行列車を意味するが、 幼虫が一列になって移動する姿を急行列車の編成に見立てた新造語である。 それにしても芋虫の急行列車とは奇怪な名前であるが、 竹芋虫の本場北タイ人のほとんどは列車など乗ったことも無く、 写真か絵本で動かない急行列車を見てこれだと命名したのであろう。 幼虫の期間は約10ヶ月で、幼虫の成長につれて孔は大きくかつ数を増して節間26個にも及ぶそうである。 そのためタケメイガの寄生を受けた竹はその部分が侵食されて曲折し、 それが竹芋虫採取の目印となるそうである。 雨季の終わりの9月末が旬、中国雲南省や北タイではもっとも珍重される食材の一つで、 いくら高くても買って食べたいというファンも多いという。 中国では塩コショウで揚げた「竹虫塩胡椒揚」が一般的であるが、 やはり取れたてをサッと湯がいて食べるのが旬の味であろう。 ★写真は竹芋虫の缶詰ーROTDUAN(急行列車）と書いてある。
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