いわき市移転正式決定 双葉町役場機能。勿来地区中心に選定
福島県双葉町の井戸川克隆町長は5日、いわき市役所で渡辺敬夫市長と会談し、役場機能を同市に移転する方針を正式に伝えた。渡辺市長は了承した。設置場所は町民の仮設住宅がある市内勿来地区などを中心に選定が進むとみられる。
会談は非公開で行われた。井戸川町長は会談後、「スタート台に立つことができた。大切な日になった」と述べた。設置場所は町議会に報告した後、公表する方針を示した。
移転に関する課題の一つとして町職員の住宅確保を挙げた。町によると現在、埼玉県加須市の町埼玉支所に約60人の町職員が勤務しているが、いわき市には住宅が確保されていないという。
役場機能がある埼玉県内には1日現在で1149人の町民がおり、そのうち、186人が埼玉県加須市の旧騎西高で生活を続ける。県内への移転をめぐっては不安の声もある。井戸川町長は「丁寧に説明し、町民の要望を聞かなければならない」と述べた。
町は、いわき市への役場機能移転の正式決定を町議会に報告し、今月中旬にも臨時議会を開いて仮庁舎建築に向けた関連事業費の予算化を目指す。
町に帰還するまでの生活拠点となる「仮の町」は町民や有識者らでつくる町復興まちづくり委員会が議論を進めている。
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