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【報道発表資料】生活保護法に基づく指定医療機関の指定取消について

[2011年12月15日]

問合せ先: 健康福祉局 生活福祉部 保護課(06-6208-8043)

平成23年12月15日 16時30分発表

 大阪市では、生活保護受給者の診療に関して、生活保護法による医療扶助運営要領に定める「重大な過失により、不正又は不当な診療報酬の請求をしばしば行ったもの」に該当する医療機関について、生活保護法第51条に基づく指定医療機関の指定取消処分を行いました。
 本市では、医療扶助の適正実施に向けて、制度の趣旨の徹底、及び医療扶助に関する取扱等の実態把握を行っており、この度、生活保護法第54条に基づく検査の結果、東住吉区の医療機関において、患者が通院しており医師は訪問診療をしていないにもかかわらず在宅患者訪問診療料等の請求を行うという不正請求や、診療録に訪問診療を行った旨の記載がないにもかかわらず在宅患者訪問診療料等の請求を行うという不当請求などが、少なくとも5年にわたり計2,000回を超えて行われていたことが判明しました。
 本市としては、今後も引き続き、疑義のある医療機関については随時調査を実施し、医師会、歯科医師会、薬剤師会にも協力を仰ぎ、専門家とも相談しながら厳正に対処してまいります。

1.指定取消となる医療機関

医療機関名   医療法人嘉誠会 山本医院
所在地   大阪市東住吉区湯里2-5-11 パステル針中野1階
代表者   医療法人嘉誠会 理事長 山本嘉治
指定取消年月日  平成24年2月1日

2.検査において判明した事実

(1)不正・不当請求の概要
ア.患者が通院し、医師は訪問していなかったにもかかわらず、229回の訪問診療料及び30カ月の在宅時医学総合管理料を不正に請求していた。(不正請求)
イ.介護保険制度に基づき訪問看護ステーションから看護師が訪問を行っているが、医師は訪問していなかったにもかかわらず、23回の訪問診療料を不正に請求していた。(不正請求)
ウ.①診療録に訪問診療を行った旨の記載がない(29回)、②診療録に、訪問診療を行った旨の記載がある一方で、同日に患者が通院したことを示すX線検査等に関する記載もあることから、訪問診療の事実の有無が不明(18回)、③医師の所見や患者の状態、指導内容等を示す記載が一切ない(25回)等、合わせて1,772回の算定要件を満たさない訪問診療料の請求をしていた。(不当請求)
エ.定期的ないし計画的に患家に赴いていたにもかかわらず、40回の算定要件を満たさない往診料の請求を行っていた。なお、これらについては、診療録に患家の求めや病状急変等の往診の理由に関する記載もなかった。(不当請求)
オ.診療録に指導内容等の要点に関する記載がないにもかかわらず、305カ月の算定要件を満たさない在宅時医学総合管理料の請求を行っていた。(不当請求)
カ.診療録に、訪問看護ステーションに交付した指示書等の写しが添付されていないにもかかわらず、141カ月の算定要件を満たさない訪問看護指示料の請求を行っていた。(不当請求)
※不正請求…診療行為の実態がないにもかかわらず診療報酬を請求していたもの
  不当請求…診療録に必要な記載がない等、算定要件を満たさない診療報酬を請求していたもの

(2)不正・不当金額
 検査で判明した不正・不当額に係る件数及び金額は以下のとおり
  不正金額  6名分    282件   3,351,600 円
  不当金額 23名分   2,258件   27,809,800  円
  合計          2,540 件  31,161,400 円
  (平成18年7月分~平成23年6月分)
 なお、検査で判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、検査の日から5年前まで遡り、返還させることとしている。

3.検査を行うに至った経緯

・平成23年1月中旬、東住吉区保健福祉センターにおけるレセプト点検において、訪問診療料の不正請求の疑いのあるレセプトを発見、適正化推進チームに相談があった。
・レセプト等の請求内容の確認を行い、平成23年3月下旬に当該医療機関へ生活保護法第50条第2項に基づく個別指導を実施。
・平成23年5月に当該医療機関から改善報告書の提出があったが、内容には疑義や矛盾点が多く、不正な請求を行っている疑いが見受けられた。
・このような状況から、診療内容及び診療報酬の請求について、カルテ等を確認するため生活保護法第54条に基づく立入検査を、平成23年7月から平成23年9月の間に4回実施した。

4.行政処分にかかる聴聞の実施

 生活保護法による指定医療機関の事故が指定取消の措置に該当するおそれがあると認めた場合は、検査終了後、当該指定医療機関に対して聴聞を行う必要があるため、行政手続法及び大阪市行政手続条例の規定により平成23年11月に聴聞を実施した。

5.指定取消の理由

 検査において判明した上記の事実は、生活保護法による医療扶助運営要領(厚生労働省通知)に示された指定取消事由である「重大な過失により、不正又は不当な診療報酬の請求をしばしば行ったもの」に該当するため、生活保護法第51条第2項の規定により指定を取り消すものである。

6.再指定

 生活保護法による医療扶助運営要領に基づき、原則として、指定取消の日から5年間は、生活保護法による指定を受けることができない。

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