2012衆院選ながさき:奥村・雲仙市長が出馬へ 2区、一気に乱戦模様 /長崎
毎日新聞 2012年11月23日 地方版
◇自民県連に衝撃、保守分裂が濃厚
衆院選長崎2区で、久間章生元防衛相の元秘書で雲仙市長の奥村慎太郎氏(58)が22日、出馬の意向を固めたことで、久間氏と自民2区支部長を争った加藤寛治県議(66)=自新=との保守分裂選挙が濃厚となり、自民県連に衝撃が走った。前職の福田衣里子氏が離党(除籍)した民主党も独自候補の選定作業を急いでおり、共産は党地区委員の矢崎勝己氏(62)を擁立する。前回09年は民主と自民の一騎打ちだった2区は一気に乱戦模様となってきた。【古賀亮至、大場伸也】
奥村氏は同日午前9時ごろ、出張先の東京都内で久間氏に会い、出馬の意向を伝えた。雲仙市議会の井上武久議長には午前10時半過ぎに電話し、小さな声で「決めました」と伝えたという。24日に記者会見し、正式表明する方向で調整している。
民主県連は23日の常任幹事会で2区の独自候補擁立を決める方針。福田氏の離党(除籍)後に調整していた2人の擁立は困難な情勢で、九州比例の前職、川越孝洋県連代表(69)らの名前が取りざたされている。
自民新人、加藤氏は奥村氏出馬について「間接的にしか聞いていないので、コメントできない」と言葉少なだった。自民県連の八江利春幹事長は「加藤、奥村両氏は同じ島原半島出身。保守票が割れてしまうのかどうか」と語った。
また、雲仙市議会は29日から開会する予定で、市幹部らは「信じられない」と戸惑っていた。奥村氏が衆院選に出馬した場合、辞職に伴う雲仙市長選は、年明けの投開票となる可能性が高い。
〔長崎版〕