「えっ………いない???」
「そうなのよ、あの子、急にどっか行くっていったきり、帰ってこないのよまあ、まだそんなに経ってないからいいんだけど
さすがにちょっとね……ごめんなさいねこんな時間に」
「いいえ、私のほうこそ……ちょうど私も、探そうと」
「どうして?」
「その、いろいろと会ってすごい思いつめたような顔してて、心配だったんで……」
「そう、じゃあ悪いわねお願い、私も探すけどね」
私は、千夏のおばさんから、呼び出されている、理由は、千夏が急にいなくなったものだからという、
いつも一緒だった、そしてよく遊んだ、だから仲が良かったということは当然おばさんは知っていた、
理解者だということがわかっていた。だから私を頼ったのだろう。
もっとも、私も同じようにしようとしてたから、ちょうど都合がよかったということもあるのだけど……
「(千夏……私が余計なお世話をしたばかりにあんな思いつめて……ないとは思うんだけど、馬鹿なことをしないように、早く見つけないと)」
大体千夏がどこにいるかは想像がつく、千夏はいつも私だけに言っていた、講習の日、夜がいいといつも言っていたことを、
おばさんは講習だけだと思っているようだけど、寄り道をしているということを私も知っていた、もしかしたら、そこに行っているのではないか……
「早く急がないと……」
まるで、何かが起こるのではないか、そんなことがあるかのように、私は急いで行った
一方そんな心配をよそに、危惧しようとしてことが起ころうとしていた
・・・・・
「………」
私はちょうど、降り立ってからは、あの人たちと、目と鼻の先の距離くらいまで近づくと、
新しい体となっている翼を、私は体に収め、地上に降り立つと
目をつむり意識を集中させる、人間へと戻る行為、それはお姉さまが儀式の際に伝えてくれたもの、私はそうすると元に戻っていた
「これが私……」
人間の見た目だというのに、次から次へとあふれてくる力、美しさ
私はこれだけでも別人になったのではないかと、充実感があふれていた
以前の私とほとんど変わらない、変わるといえば、
胸が以前より平たかったものがふくらみがあるものへと変わり、髪も短いものから、長い髪へと変わっているくらい
でもそれがなんか美しさを際立たせているように黒髪は闇夜に染まり……魅力的な雰囲気を出していた、それが余計に私に自信を与え
「あぁ、……きれい……これが私……」
その姿はそう……最初にあったお姉さまとの雰囲気に似ていた。私はこの出来事が本当に起こったのだと思い……
「ふふ、これなら……」
怖くない……絶対的な力が体中からあふれてくるのがわかる
今なら、お姉さまのあの顔、充実感、自信すべてがわかる、こんな力を持てばそうならないのがおかしい、だって………すごく素敵、体中が欲してる………
私に、私に、すべて従えと………そう、素晴らしいもの、あぁ、今すぐにでも……
「貫いてやりたい……あぁはぁ……だ、だめよ……」
そうじっくりと、やらないと、これで私は変われるんだ……ううん変わった……
さあ、あなたたちのその歪んだ心を……もっと絶望に染めてあげる
・・・・・
そんなとき、今から襲われるということを知らず、今からどんなことが起こるか知りもしないで千夏をいじめて夜を楽しんでいた三人組は……
「はは、明日も楽しみね♪」
「そうよね、ちょっと餌に出して、ネタにして脅して玩具と遊べるんだし」
「そうそう、ホントバカみたい、あんな馬鹿なやつのために一生いじめられるなんてね、しかもそれがお互い………プッ!」
「駄目よ、笑っちゃああ……でも、ダメ、ブッ!!」
「ああ、あはは、ねえ明日はどうする」
「とりあえず……」
そうして話題をもっと広げようとした所へ……
「面白い話ねえ、私もぜひ入れてくれないかしら、いやあなたたちでもいいか」
「あ!」
コツコツ
「こんなところにいるのね、あなたたち、新しいことでもして遊んでたの?」
「てめぇ、まだ足りねえのか!ここはそれこそ誰も見てないんだよ♪まあ見たところで、誰も止めないけど」
「それはちょうどいいわ……」
私は不敵に笑う、これからのことを思うと……そうとも知らず
「どういう意味だお前、ついにあんまりやられておかしくなっちゃったの?」
「おかしくなるわよそりゃあ……「だって、あなたたち、これからここで私に遊ばれて人形になっちゃうんだもん」
そういうと、何とも面白かったのか……
「お前、なんだまた蹴られたいのか、今すぐ……」
「まあ待ちなさい、ふさわしいところに連れて行ってからでも十分よ」
「ふふ、そんなにもっといじめられたいなら、付いてきなよ」
「…………」
「怖いのか自分から喧嘩、売っておいて」
「……いいわ、ついてきてあげる」
そうして私はあの三人についていく
もちろん人気のいないところまで行った
「ふふ、ここならだれもいねえぞ」
確かに人のいないところだ。路地裏というにふさわしいほど人気がいない暗闇に包まれており、ここでなら「何をしても気づかれることはないだろう」
「そうね……こんなに人のいない路地ってあったのね」
「はは、こいつ、何急にしんみりなっちゃって♪」
「おかしくて、いや怖くて、気でも狂ったのか?」
そうね確かに……
「おかしすぎるのよ、これから起こることを知らないで」
「何!」
「あんまりにも……笑わせてくれたから……ふふ、今から面白いものを見せてあげる」
「あん?何の???まさか仕返ししてあげるっていうの?面白い冗談ね」
「ふふ、今から見せてあげるわ」
私は手を広げて目をつぶる
「あはは、何それ新しい降参の仕方ぁ?」
すると突然
「ま、眩しい、………っぷ!なんなのこれ……っぷははは!!」
バカたちが私の姿を見て笑う。当然か………なぜなら……
「何、あんた急に露出狂になっちゃったの???ははは何それ、
それで私に許し請おうってのマジで頭イカレちゃったわけ???」
ふふ、その顔を今すぐに絶望に変えてみせるわ。
さあ…………
「来て……私の可愛い子供たち」
「はぁ、子供???ちょこいつほんとやばいんじゃないの……」
「ちょっとやりすぎた???」
「これからぼこぼこにすれば、そんな気も失せるわよ………」
すると私の周り、いや……私の頭以外を私の真の姿の象徴の蝙蝠が私の体の中へと入っていく。
「はぁぁぁぁ……イィィィ……」
大きな漆黒の翼、尻尾が生え艶めかしく私を包んでいった、私はその変身からの快感で怪しく声を漏らす
しかしその変貌を見た三人は
「ひっ………」
今まで見たことのないものを見て、たじろぐ
「ふぅ……お待たせ……」
「ひぃ……ば、化け物!!!!」
「ビビんじゃないわよ、所詮はあいつでしょ!、どうせ、みてくれだけに決まってるじゃん!ほら、いきな!!」
そうして、取り巻きの一番下が私に襲い掛かってくる
「この!!!」
それは空を切るばかり……
「(こんな弱い奴らに、しかもひどいことばかりする人たちに、今まで私は我慢して黙ってて……でももう私は違う……
おまけに、千春まで………だからその罪をあなたたちには払ってもらう)」
「はぁはぁ……」
「もうおしまい……?」
「てめえ調子にのんじゃねえよ!!!」
バキ!!!!
「はは、バーカ!!!」
本当に面白い……何も痛くない………蚊が触れた程度のものだった人にこんなにも黙って我慢してたなんて
「なんかした???」
「う……嘘………なんでこんな………」
私の顔に傷すらつかないどころか……
「さっき当たったの………まさか……」
「ふふ……気付いたのね……そっ……わざと。
あんたらみたいに無慈悲にいじめたら、いや違うか、じゃれていたら、かわいそうだと思ってね」
皮肉たっぷりに言い放つ、この発言が今の自分の状況がどんなものかを思い知らせている
「じゃあ見逃して……」
「ふふ、どこまで馬鹿なの……あんなことする、自分の快楽のために人を巻き込むような、あなたたちにはそれ相応の報いを受けてもらうわ」
「ひぃぃぃぃぃ!!!!」
私は、恐れおののいている女をにらむ。すると動きたくても動けなくなり、私はゆっくりと近づき首筋に絡む
「そう、そのまんま、気持ちよくしてあげるから」
「(な、なんで……あいつの目が光って・・・・・・・・動けない………)」
「ふふ、いいことを教えてあげる、私ね、血を吸えるの、血を吸いたいの、でもあなたそうしたら逃げちゃうでしょ、
だからね、眼を見ると、目が赤くなったでしょ、その眼を見るとね動けなくなる力があるの。怖い?」
足だけであり、そのほかの体は動くため、必死に訴えている。
「ひぃぃぃぃ!!!」
「ふふ、ちょっと吸うだけ、あともう二度とこんなことができないようにしちゃうだけだから
怖くないわよ、とっても、気持ちいいんだから、ふふ」
「こら、どう責任とるのよ!!!見てないで助けてよ!!!!」
その恐怖心が私には心底滑稽だった。今までそれが楽しいといっていた連中がこれだ、愉快でたまらなかった
「ざまあないわね、じゃあいただくわ」
「あぁ……あぁぁぁぁ……な、なにぃこ、これぇえ……ち、力、力がぁあ……」
私に、がくんと身を預けてしまう。血を吸われ……自分自身がどうなっているかもわからず、空を見つめる
「ちょうどお腹がすいていて助かったわ、そんなにおいしくなかったけど、ちょっとは足しになったわ……それにしてもこんなにおいしいなんてね………
まあ、まだそこに二人ともいるし。目が起きたら、もうあなたは何もかも忘れてるわ、ふふ、安心して今の恐怖は綺麗に抜け落ちてるから」
「あが……あぁぁぁぁぁぁ………」
まるで死んでしまったかのように言葉を発さなくなる……一言簡単にいえば逝ってしまったのだ
「もう終わり……ごめんなさいね少しやりすぎた。
でもいいわよね、今まで散々偉ぶって、人の嫌がることが好きだからって、だからちょっとは持つだろうと思ってたのに……」
何も言わなくなった、その女を軽く蹴ってまるで障害物をどけるように私はそいつを軽く蹴った
「ま、まさかあんた……」
ああ、そういえば……吸血事件があったわね。人を襲っているって言う事件、あれも私を呼び覚ますためのものだったのね……
「あんた、なの犯人って……」
「なんの?」
私はいたずらっぽく言った
「すっとぼけてんじゃねえよ、夜な夜な人を襲った犯人それはお前だったんだろ!!」
「あら、うわさだし怖くないでしょ……それともあなたたちは悪人だから逆におびえていたのかしら」
「ま……まさかこんなことが………」
噂が実は本当に起こったことに相当な動揺が見え隠れする。
もっとも私は生まれ変わっただけ、でもそういうにはつまらないし、
彼女たちには今までしでかした行為を反省しなければいけない、だから彼女たちは今まで自分が行ったことを思い出したのだろう。
「あ、あんたがいけないんでしょ!玩具がほしいとかいって!」
「あんただって、よく言うわよ、散々他のも引っ掻き回してるくせに!!!」
今までの行為、そしてこれからのことに仲間割れを始めている。哀れだ
だけど許すつもりはない、あなたたちはやってはいけないことを平然とやってきた。報いを受けてもらう
「ほら、あんた、あいつはもう今までのじゃないわ、見たら分かるでしょ!!!!」
「ちっ……だからってあんな奴どうすれば………」
「誰もいない、しかも、こんなのを人間と思う?」
二人は見やり、にやりと笑い
「ああ…………そうか……そうねもう躊躇してられないわね」
私は奴らが次に何をするか分かってた。でもそれを差し引いても、今の私にはそれを流せる力があった
「何をさっきから言ってるの……」
「ふふ、こうする相談だよ!!!!」
ブス!!!!!
「あっ………」
私のお腹に………
「ははは!!!!バーーーカ!!!ざまあみろ!!!!」
「ちょっとやりすぎたかもしんないけど……逆らったんだからしょうがないわよね……」
私のお腹にはナイフが刺さっていた。
「どう、優越感満足したぁ?」
「全然……ふふ……」
「はっ、何言ってんの???」
そう言うと私はナイフに目をやり……
「ああ、やっぱりね……こんな事だろうと思った、あぁ……」
「はは、どうあんた、このままじゃあそんな姿で死んじゃうんだし、
私たちは、罪にも問われないけどしょうがないわよね、生意気にも逆らって」
「そうね、あなたたちは罪に問われないわ……だって……」
そう言うと深々と刺さっていたナイフを抜き取って……
「私、これくらいじゃ死なないみたい……」
そういって血の付いたナイフをふき取って……ナイフをひんまげて捨てた
「ああ……嘘……あぁぁぁぁぁ……」
その姿に恐怖する、傷口もふさがって行き、はたから見ればナイフなんかどこに刺されたなんてわからない。
そればかりかそのナイフがひんまがったことに恐怖し、取り返しのつかないことをしてしまったと、ついに悟るしかなかった
「ち、ちくしょうう!!!!」
逆上したのかそれとも訳がわからなくなってきたのかどっちか分からないけど……私は躊躇がなかった
「ふふ、おばかさん……」
そうして先ほどしたように簡単に逝かせてあげた、この人達は、まだこんな程度で許せる……だけど……
「あんた……、あなただけはこんなに簡単に逝かせてあげない、あなたには、そんな権利ない……分かるわよね……」
「ひ……ひ!!!!!た、たすけて………」
そして彼女は人だかりのほうに逃げようとしているが
「ど、どうして逃げられないのずっと同じ道ばかり……まさか………これもあんた……」
「さすがに分かったのね、そうあんたみたいな人は逃げるってわかりきってたから悪いけど、結界を張ったの」
「私は違う、私は違うわ!!!私はやられてるだけなのよぅ!!!!」
すっかり仲間を失った主犯は今まで見たこともない情けない声を出している、そして心の中ですら、命乞いを始めていた
「情けないものね、あんだけ人のことを馬鹿にしておいて、自分が困ったらこれ?」
そうしてなおも命乞いをするので、首筋に牙を突きたてようとする
「ひぃぃぃぃ!!!や、やめて!!!!私じゃないの私じゃ!!!」
「じゃあいいなさい」
「わ、わかったから、その牙を離してお願い!!!」
私はその首筋につきたてようとした、牙を離し……
「わかったわ、嘘じゃないと判断したら、あなたを苦しみから解放してあげる」
「あ、ありがとう(ふふ、ばーか、すきを見てやってやる……二度と私に逆らえないように)」
そして、私は今まで悲惨なことをしてきた主犯を問いただす
「じゃあ単刀直入に聞くわ、主犯はあの教師でしょう、あなたがたがいつも忘れ物と称して、それに付き合ったあの教師でしょう」
「そ、そんなことわかってるならなんで私に!」
「聞いてみたいのよ、一応何の手ごたえもなしにやるのではあなたたちと変わらないからね」
「くっ!わかってんなら聞くんじゃねえよ!」
まだ立場というものがわかっていないようだから私は威圧をこめて彼女に言った
「わかってないのはあなたのほうでしょう、何その口は」
「ひっ………も申し訳ありません………」
そうして、彼女の声・心を私は深く読み取り
「そっか……よくわかったわありがとう」
「信じてくれるの?」
「………嘘を言っているようには見えないしね、あなたを苦しみから解放してあげる」
そういって離し、私は背を向けた次の瞬間のことだった
「あははばーか!!!!このまま逃がすわけないでしょ!!!死ねええ!!!!!」
そういって、ナイフを刺して背中側に突き刺さった
「あっ………」
「ふふふ、あはははは私なんかには向かうからよ!もっとも今言ったのは本当のこと
だって、私とあいつは親戚だから、だからやりたい放題できたってわけ!」
「くっ………そういうことだったのね……」
「もう満足した、でも死んじゃうんだから、土産話にでもしなさいよ、あはは」
とても優越感に浸れるいい気分なのだろう、今の言葉と心の声が一致している、一致しているだからこそ………
「ふふ……」
「何がおかしいんだてめえ、ついに死ぬから頭おかしくなっちゃったの?」
おかしいわ、ほんと………これで死んだと思ってるんだから
「ふふ、死ぬあまりに頭がおかしいかどうか見せてあげる」
そういうと、私は事もなげにナイフを抜き取るとぐにゃりと折り曲げ彼女の前に無造作に投げつけた
「………こんなことありえない………」
つかの間の優越感に浸っていた分、今そこに突き付けられた事実から、とんでもない一線を踏み越えたとようやくここで理解したのだろう。もはやその場で震えているだけ……
そして私は………
「おバカな人ね、ここまで泳がせて本音をここまで言ってくれるなんて、あなたをやっぱり生かしておくわけにはいかないわ」
「うそ……あなた本当にあの……」
そう、今までの私はそうだった。でももう違う……
「そう、でも私は生まれ変わったの、もうこれが嘘ではないとわかるわよね、なんでこうまでしたと思う?」
「………」
わかっているのだろう、その理由が、言ってしまえばどうなってしまうかわからない、だからこんな人でも口を閉ざしているのだろう
「私もこんなことしたくなかったわ、でも許せないの、あなたたちが、私の大事な千春にまで手をかけたことが、
ええ、あなたの言うとおり、これは馬鹿なお友達ごっこかもしれない、でも私はねそうまでしても守ってくれた千春をここまで馬鹿にしたことが許せないの」
もはやだれの目いや口調にすらも殺気があるのは明らか。急に命乞いをはじめだした
「ち、違うのよ!!!これは言わされてるの、主犯のあいつに、私は被害者!」
よくもまあこんなでたらめをぬけぬけといえるものだ
「面白いウソね、ついでにもう一つ教えてあげる、私はこうして強くなったと同時に、人の心を読めるの。
でも、あなたの口から言ってほしかったから芝居を打ったの、もう、わかるわよね……この意味が」
「………で、でも……言ったじゃない、あんた苦しみから解放してあげるって!」
「ええ………」
そうこんな恐怖の苦しみから解放してあげるわ、もう二度と………
「ええ、生きる苦しみから解放してあげる、もう怯えることもなくなるし、後ろめたくなることもなくなる。意味は分かるわよね………」
そう軽蔑と突き放す意味を込めて言い放つ
「許せないから、あなたみたいな自分勝手で、欲望のはけ口作るような人が、
ずっとこうなっていくことを望んでた、そうしてこうしたきっかけをくれたあなたに感謝するわ」
ニコリと笑う、、だけどその顔がどれだけ恐ろしいものか、それは彼女が一番わかっているだろう……
「く、くそおおおおおお!!!!」
どうしようもない絶望感が襲う、抵抗をするだけ無駄だとわかっているのに、こぶしを振り上げるが、かなわない……そして………
「おいしそうだわ、その絶望の味がどんなものか……安心して、一瞬だけであとは気持ちよく……逝かせてあげる」
そういい、私は彼女を首筋にたててやり、思いっきり……
「ふふ、一瞬だけあとは気持ちいいからね………」
体全体にまで、及ぼうかというくらいに噛みついていった
「ああああああ!!!!!」
思わず叫びをあげる、そんな中私は血をすすった
「こんなに屑なのにおいしいわ……もっともっと……私に血を、栄養を分けて」
「あひぃぃぃ!!!!怖い、怖いのに!!!!すすられるのが気持ちいぃぃ!!!!!」
まるで昔の私……血を吸われて快感を覚えている私、でも
「ふふ、もっと吸えばもっと気持ちよくなるわよ」
「あぁぁあ……許して私を……その代り、もっともっと」
「ええ、一緒に血をすすって生という苦しみから解放されましょう」
「あぁぁ、いい……苦しみから解放されるってこういうことだったのね、もっともっと」
今まで感じたことのない快感により、分別がつかず何をされるのかわかっていない、目の前の快感にしか興味がわかない。
そのあとのことすら感じることができなくなっている
「あぁあ、吸って、私の血を吸ってもっともうっと、私を気持ちよくしてええええ!!!!!!」
「ふふ、誠意が足りないわね、人にお願いの時に頼む言葉は」
彼女は快感にあらがえないまま叫びの声を上げる、言葉がすでに今までの彼女ではないくらい高圧的なものとなっている……
が彼女はそれに気にも留めないで……
「お、お願いします、……千夏様、この醜い女の血をすすって気持ちよくして、生から解放してください!!!!」
「ふぅふ、よくできました……」
ガブっ!!!!
「あははははああああ!!!!気持ちいいいいい!!!!!」
………
そして彼女は叫びをあげて干からびてまるで生き狂っているように目をまるくしていった……
「うふふ、ははは……あはははは!!!!ほんと、いい気味よ!!!!!」
うふ……これからどうしましょうか……まずはそこに横たわってるすでに死んだ主犯だった以外の人たちの記憶から、私は漆黒の翼を広げて犯して行った人を包み込む
「あなたたちはこれから二度と私と千春をいじめない
当然誰もいじめてはいけない……迷惑もかけない……いいわね」
「………」
漆黒の翼の中でうなだれ……私にしたがう、私の翼の中に流れる心地よさで何も考えられなくなっていた
「ふふ…安心して何かが変わるわけではない。ただそれに反したことをすると、今のようになって考えが変えられるだけ。もっともそれを実行できる人間なんていないけどね」
「本当にいい気分だわ……ああ……これでこれで終わったのね……」
ううん、終わりではない………一番許せない人がのうのうとあんなのが教師なんて許せない……
主犯を……でも今いきなりやるのは目立つわどうしたものか………
でも今は、こうして私は、復讐もできたし、これからも千春とつながっていけることを喜んでいた
千春には言わないんだけど、これからも人間として私は、千春と一緒……そう思うと嬉しくてたまらない
コツコツ
「っふふ、終わったかしら?」
「お、お姉さま………」
「ふふ、どうかしら、生まれ変わった感想は」
「正直わかりません、でもこれだけは言えるんです。これでまた千春と一緒に
仲良くできるんだって思って…………」
「まあいいわ、さあどうするかは自由よ、一生人間として生きることもできるし、吸血鬼としても」
「姉さま……本当はわかってるくせに……」
「ふふ、そうね、あなたはそういう人だからね」
ちょっと意地悪く笑うお姉さま、でも悪意がない
「私、もちろん人間としてこれからも、でもお姉さま……私、どうしても許せない人間がいるんです。
人間とは思いたくもない屑が………」
「そう血気しなくていいのよ言いたいことはわかるから、
あなたを生まれ変わらせたのは、そういう意味でもやってるの、頑張りなさい」
「ハイお姉さま……でもその前に、いいですか?」
「どうしたのかしら……」
私は感謝をこめて、でもそのお姉さまの名前がわからないだから
「こうまでして……そのお礼も何もできない………」
「気に病むことはないわ私が好きでしているのだから」
「じゃあせめて名前だけでも………」
「全く律儀な子ね……私の名前は、レイチェル・リリー………どうしても呼びたかったら、リリーと呼んでもいいわ」
「リリーって………あの………」
レイチェル・リリーといえば、最初に発見された吸血鬼と言われているわ………
私、よくこういう話を千夏から聞いていたから覚えている。ただの、作り話だと思っていたんだけど
「そんな人が………」
「ふふ、ごめんなさいね、隠してて、ただ千夏ちゃんに接触した理由は、ほんとそんな理由よ………」
そんな人から私は出会えたんだ。ますます、この力を有効に使わないと……
「ありがとう、これからも私は尊敬の意味も込めて、私はお姉さまと呼びますけど、よろしいですか?」
「ふふ、どっちでもいいわよ、じゃあ行ってらっしゃい」
そして、私は生まれ変わりそして次のステップへと入る……
お姉さまから背を向けた次だった
ドタドタ!!!
かなりあわてている足音、これはひょっとして……
「ああ!!!やっと見つけた千夏!!!!」
「どうしたの???」
「どうしたのじゃないわよ!おばさんもみんな心配してたんだからね!私だってあんなことあってどれだけ心配したことか!!!!」
そういえば、最後にかけた言葉が絶望しただもんね……ひょっとしたらと思ったのかもしれない
「ごめんね、心配かけて……わたしもう大丈夫だから………」
精一杯の謝罪をする、周りに迷惑をかけてしまったのは事実だから
「べ、別に私はいいのよ、あなたが無事なら」
「千春………帰ろうか、そして明日から」
「うん、また一緒に行こう」
・・・・・
そして翌日、当然のことながら学校では、みんな、彼女が変死したことを不気味がっており、また吸血鬼が出たともちきりだ。
すぐ近くにいるなんて知る由もないでしょう
「みんな、亡くなったことは悲しいけど、おびえてはだめよ、いつも通りふるまっていればいいんだから、だってそうでしょ、
こういっては悪いけど、この人いつも悪さばかりしてたんだから、本当だったら、もう二人くらいそうなってもおかしくはなかったんでしょうけど」
そういい、私はすっかり支配下と置いた二人を見やる
「いい、あなたたちももうこれに懲りてやらないわよね、じゃないと次はあなたたちになるかもしれないでしょ、そんなのはいやでしょ?」
あの件以来、というより私が屈服させたから
「はい、もちろんです」
「ふふ、ありがとう」
周りの生徒たちも不思議ではあったが、なんというか自信にあふれているのが帰って頼もしかったのか
「すごいわね、千夏さんあんな目にあったのに、強くて」
「ううん、そんなことないわ、私だって、みんないないと何もできないのだから、一緒にがんばりましょう」
「うん!」
そしてそれからいじめというものは表面上は消えて失せた、そして帰り際千春と……
「しかし、あんたがあんなこと言うなんてね……正直驚いた。」
「ふふそうかもね……」
「それになんっていうか、変わった、顔つきが………」
やはり………というか、そうとるわよね、今まで引っ込みだった人がこうも言ってのけるのだから
「まあ、でも、終わったわね、やっと……これで………」
「そうね、これで同級生がいじめられるってことはないかもね」
そうあくまで、いじめが「表面的」になくなるだけ……でも、まだよ……まだ一番あくどいのがいる、許すわけにはいかない主導して弄んだことを
私………いいや、千春をここまで弄んだあの屑を絶対に許さない……
そしてその夜、・・・・・・
「ったく、いったいどうしたっていうんだ……」
当の主犯は彼女たちの被害にあせっていた。このままだと。危害が及ぶのは自分になるのではないかと思っていたからだ。
「ったく、迷惑な話だ、なんでこうも俺たちみたいなもんを狙うのか、あの千夏みたいな馬鹿正直なあほを狙えば、せっかくいいおもちゃが入ったっていうのにくそ!」
全く持って勝手な言い分だ、まあこれが悪い人の言うことといえばいうことだが
「当分は、おとなしくしてたほうがいいな
どういうわけか無事だったやつもだんまりしやがって、ったくおまけに千夏に何も言えなくなって」
ザッ!
「誰だ………!」
「こんばんは先生」
「なんだ千夏か……脅かすなよ」
私は知っててあえて皮肉を言う
「どうしたんですか?普通に声をかけただけですけど、何か?」
「あっいや別に、ただお前がこんな時間にいるなんて思わなくてなすまんな……」
確かに、私は、こんな夜にふらついて歩く人には見えないだろう、それも、こいつは人目につかないところにいたのだから
「でっなんだ……」
「先生にお礼が言いたくて………」
「なんだ……お礼って………」
ふと思い返しても記憶がないあるとすれば………
「ほんと、感謝してますよ、あなたには、あなたのおかげで私は変われたんですから」
「イマイチ言っている意味が分からんぞ、もっとはっきりいったらどうだ」
そういわれ私はキッと睨み付け言い放った
「ふふ、じゃあ言わせてもらいますよ、あの3人のこと覚えてますね、そして私はあなたに助けを求めても知らないふり
でも私、あの三人を問い詰めて、わかったんです。やらされてるって、まああとは言わなくてもわかりますよね………」
「はん、だからどうした、そうだよ、ったくお前もラッキーだな、吸血鬼様が味方したようだしな
ああおれだよ、ったく誰もいないから言うが、お前みたいなのが嫌いなんだよ俺は、何でもかんでも聖人ぶってるお前が
だから俺がけしかけたんだよ」
誰も見てないのをいいことに、本音をぶちまける
「どうしてです。どうしてそんなゆがんだ考えしかできないんですか!!!」
「その考えがむかつくんだよ、そうやっていい子ぶってるのが鼻につくんだよ、
お前みたいなのがむかつくんだよ」
心も同じ声、この人はどれだけ歪んでいるんだ………そんな人がはけ口のためにやったのかと思うと……
「そうですか………よくわかりました。だからあなたには消えてもらいます。」
「はっ消える……馬鹿なことを言う、吸血鬼が助けに来るってか!」
げらげらと笑い冗談を言っているように聞こえた私に笑う
「だって………私が吸血鬼なんだから………」
「何を………うわっ!!!!」
光を発する、その瞬間、髪が黒から白に代わり肩口まで伸び、
服も黒いマントに代わり吸血鬼へと変貌を遂げた
「ば、化け物、なんなんだお前!!!」
「何って?今こうして私と話していたじゃないですか」
「まさか…………?」
子との事態をようやくここで飲み込んだようだ
「まさか…………」
「やっと思い出したようですね、ふふ、そうです。あなたに言いようにされて散々遊ばれていた千夏です。
意味が分かりますよね」
「…………」
絶望にあえぐ。もうすべてが遅すぎた、本音すらも言ってしまったからには、生きては帰れない……
それでも命乞いを始める
「違う、あれは違うぞ!そう、そうだ。あれはお前が何とかするという力を引き出したんだ、だからもうお前は一人で立てる、よかったな。これで俺がもういいやつってわかったろう」
心が読めなくてもひどい言い訳を始める心は何とか逃げ出して隙あらばということが手に取るようにわかる。
「ふふ、そんなとりつくろわないで、もうそんな心配しなくてもいいですよ………あなたは今からそんな心配しないで今からお別れしないといけないのですから
死んだあの人と仲良く喧嘩すればいいんです。」
「ああ……頼む、やめて、やめてくれ………俺だってまだ生きたいんだ……」
「ふふ、心配しないで、これはじゃれあうだけですから、残りは向こうに逝ってからじゃれあってください、
それにもう言葉を聞くだけでもうんざりです。だから」
私はにっこり笑っていった
「もう消えてください、あなたみたいな人がいること自体……私はもう嫌なんです」
私は、今まで私を騙していた者たちを吸い尽くした、干からびるまで吸い尽くしてやり、
老人のごとく皮が干上がっていた。
「……うふふ……あははははははは!!!」
そしてこれまでないくらいにバラバラにして復讐を終える、
凄く気持ちが良かった今までのどの人間よりも極上の味がした
その頬をペロッと舐め上げ
当たりを血に染め上げ、高らかに怪しく笑う吸血鬼の姿がそこにあった
「あはは、これで終わった…………ううん………」
終わらない、これからが始まりだ、私たちを脅かすような人がいる限り………
もう二度と悲しいことが起こらないように私はこの力を使って………
そうこれは始まりに過ぎない