私の名前はハルカ。シスターとして
ここ3年間小さな街での修道院
として懸命に頑張っている
今日もシスターとして神に対する感謝を忘れず
奉仕を続ける一日が始まった
仕事といっても様々。神への祈り
人々に対する教えの布教
そして傷ついた人たちを看護する
やることはたくさんある
まだ来て三年間しか経っていない
でもそれでも私はこの街でシスターになれて
いやまだ半人前ではあるけどなりたい
シスターの神の奉仕の教え
それは誰であろうとも普通の人・要人・ましてや極悪人であろうとも
看護、することを忘れてはいけない
私はこの教えに深い感銘を受けている
人間とは誰しもが生きる権利がある
だから私はこの教えに惹かれ
シスターになるべく今まで頑張ってきた
もちろんそれは
奉仕だけではない
「ハルカ姉さーん!」
「あら、あなたたちどうしたの?」
そう子供たちとの話相手
私は子供が凄く好きだ
なついてくれるから余計に好き
ただ……
「ハルカお姉さんに送りたいものがあって………」
「あら、私何もしてないけど………」
「いつもぼくたちの相手してくれるじゃないか」
「まあそうまで言うんだったら……」
そういって子どもたちがあるものを取りだした
それが何か認識できなかった私よく見ると
ぴょん!
私の顔に飛びついたそれを取って私は……
「きゃあああ!!!!」
私の嫌いなかえるが私の顔に飛びついて来た
私は顔から火が出るみたいに怒った
「ひゃはははは、引っかかった引っかかっただから姉さん大好きなんだよ♪」
「もう子供が大人をからかうんじゃありません!」
「ごめんなさい……でもでもね」
「もう何よ!」
「ハルカ姉さんが来るまでこの街閑散としてて
ほんと苦しかったんだ……だからハルカ姉さんが来て僕たち嬉しかったんだ」
そう屈託のない笑顔で言うようなもんだから私は
怒るのをやめた。もちろん本気で怒ってはいなかったけど
「じゃあお姉さんそれだけ言いたかったから」
「ほんと私だけにしなさいよこんな悪戯
あとであんなことしても許してくれない人は許してくれないんだから」
「へへ……」
そういって別れようと思ったところに
「あら………」
私はある異変に気付いた
「どうしたのハルカ姉さん………?」
「膝すりむいてるじゃない………」
「ああ、これ大したことないよ。ちょっとすれば治るだろうし」
「だめよ傷口から病気にでもなったらどうするのちょっと来て」
「でも姉さんのこと煩わせるのも」
「いいから今からするから」
そして私は目を閉じ傷口に手を当てた
「あっ………」
そうすると傷口がなくなっていく
「ふぅ………どう痛くない???」
「………やっぱすごいや。みんなシスターと会うけど
ハルカ姉さんみたいにいくなんてないのに」
「そんなことないわよ私なんかまだまだ色々と覚えないと行けないことが多いんだから」
今子供たちに使ったのは治癒魔法
魔法の一種。シスターは当然看護が義務となる
しかし、そうそう看護の道具なんて大量にあるものではない
そこで魔法が今では広く伝えられている
由来は神様がくれた贈り物らしい
教会にもその魔法書がある
それを勉強して半人未満の私でも簡単な治癒魔法が使えるようになれた
「それはそうとやんちゃなのは良いけど怪我しちゃだめよ。
こんな世の中だからこそ元気に過ごしてご両親を悲しませるようなことがあってはならないんだから」
「うん、じゃあハルカ姉さんまた明日ね」
「ええ」
私は特に今のところはやることもなくなってしまったため
私は教会に帰り今日も祈りをささげ魔法についてのお勉強をしていた
シスターは一日にしてならずだ
「今日も精進してるなハルカよ」
「大司教さま!?すみませんこんな早く……」
「そんなかしこまらんでも良い。どうだ3年経つが慣れたか?」
「すみません、まだほんの少ししか………早く民の皆様が安心して暮らせるように
がんばっていきたいのですが」
「ふふ謙遜するな。お前が思っている以上にお前は良い働きをしておる
それにしてもあれから3年か」
「そうですね……」
私は3年前ははるか遠くの東洋の異国で暮らしていた
しかしそんな三年前の日戦乱に巻き込まれ私は両親を失って途方に暮れているところを
今の大司教様が私をどう思ったか知らないが引き取ってくれた
きっと大司教様は神様の啓示を聞き私を引き取ってくれたのだと思う
私が子供たちに両親を大切にしろと言ったのもそうだ
私は戦火で両親を無くしてしまっている
だから私はそんな思いもあり、そして大司教様の
助けになりたい・私のような犠牲者を出したくない
そんな思いで私はシスターを志願した
だから生半可な気持ちではなかった
私はもっともっと人の役に立たなくてはいけない
そうでなくては異国の地から来た私によくしている
あの子たち。そしてあの人たちに申し訳が立たないからだ
「最初はどうなると思っていたがすっかりなじんでほっとしているぞ
焦ることはないじっくり励め」
「はいありがとうございます」
そしてまた励もうかと思っていた矢先のことだった
ドンドン!!!!
「何事だ騒々しい」
「大司教様。族が押し入って金品を奪い男たちは殺され次から次へと女性たちをさらって言って
子供に関しては………」
「(あの子たち………)大司教様私に行かせてください!!!」
「ならぬ!!!お前にもしものことがあったらどうする!!!
お前の両親に私は顔向けが出来ぬ!!!!」
「大司教様こそここに居てください!!
大司教様が離れては士気にかかわります」
「おい、ハルカ!!!!!」
私は大司教様の制止を振り切り
あの子たちのもとへ向かう
折角私を受け入れてくれたこの街
守らないと行けない
「酷い………」
村は酷く荒らされていた
女性の悲鳴
そして男性の無残な亡骸
地獄絵図のようだった
そしてあの子たちが泣きそうな顔をしていた
「大丈夫………大丈夫だったの?」
「うぅぅぅ……ハルカお姉ちゃん………」
「もう大丈夫大丈夫だから………」
私は酷く怯えている子供たちを抱きしめ解放した
おびえて当たり前だこんな悲惨な禍々しい光景を見て
正常でいられるはずがない一体誰がこんな………
「ひっひっひ誰かと思えばあの時のシスター様じゃねえか」
「あなたたちは………」
その人たちはかつて私がちょうどシスターとして最低限のことができるときに
この街に負傷兵としてやってきた兵士だった。そして私はその人たちを看護し
その人たちはいつかお礼をすると言ってきたのに……
「あなたたち、なぜこんなことを!!!」
「ひっひっひだからそのお礼をしに来たってわけよ
傷を治してくれた優しいシスター様のためによ」
負傷兵だからしょうがなかった。でもまさかこんな人たちだったなんて
神よどういうことなのですか………
「だがよぅ俺たちゃあ女は殺さねえ
大事な女神さまだからよぅ」
ああ、どうして……こんな悪魔もなぜ救わなければ
神の教えは分かるでもこんなひどいことをする人たちに
なぜ救いを……分かってる分かって入るのだけど
こんな良い街をめちゃくちゃにする彼らを助ける意味がわからなくなってくる
頭がおかしくなりそうだ
「ひっひっひ何も言わねえならとりあえず俺達はガキには興味ねえ
殺してしまうか」
「!!!!!!」
それだけは駄目だ子供たちまで殺されては
「待って!!!!」
「おやどうしたんだぃ?」
「あなたたちの言うことを何でも聞きますですからですから
どうかその子たちには手を出さないで……お願い」
「女神さまにそう言われては仕方ねえ
ただそれなりのことをしてもらう代償は分かるよな」
「………」
私は従うしかなかった
もし反対したり反抗すれば子供たちがどうなるかいやそればかりか
もっとこの街が悲惨な目に会うそれだけは許せなかった
私はその行為を受け入れるしかなかった
それからのことは思い出したくもなかった
いっぱい嫌なこと……思い出しただけで気がどうにかなりそうなことを一杯させられた
それでもいい。それで子供たち……この街が守れるのであれば………
「へっへっへ。初めての割には楽しめたぜ
また遊んでやるぜ
その時もよろしくなぁ」
こんな感情初めてだ。どうして大好きでない人からこんなこと
いやそんなことより私は信仰に対して疑問が出てきた
そのこと自体もショックというよりどうしてそんな人たちまで助けなければならないのか
疑問ばかりが浮かぶ
「お姉さん………ごめん………」
心配してきた子供たちが駆け寄る
私は安心させようと笑顔をつくる
「何心配そうな顔をしているのよ
私は大丈夫よ」
「だけど……姉さんがそんな目に会うの僕たち僕たち……」
泣くのも無理はない
衣服は所々はぎ取られそうになっていて
私自身が怪我もしている心配するな泣くなというのが無理であった
だが私はこの子たちを心配させないように笑う
「こら前にも言ったでしょそんなこと言わないの
あなたたちはこれからなんだから。私は大丈夫よ、今日はもう家にいなさい
またこんなことが起きないとは限らないから」
「うん……姉さん突然僕たちの前からいなくなるってないよね」
「当たり前でしょ私はこの街が好きだしあなたたちみんな好き
だからそんなことは絶対起こらないわ」
「ありがとうじゃあまた今度ね」
「ええ」
それからは何も考えないように私は教会へ帰った
もちろん大司教様は
「ハルカ!!!ハルカ無事だったか!?」
「だ、大司教様………」
大司教様はすぐ私の異変に気付いた
「ハルカ………済まない……ハルカ………やはり無理にでも……」
「いいえ、私が自分の意志で行ったことです
でも結果的に良かったんです。大事な子供を守れましたし
大好きなこの街もこれ以上荒らされることはなかったのですから
それにこの教会も無事でした今はそれを喜びましょう」
気丈に振舞う
もちろん大司教様に心配をさせないため
そしてみんなに気を使わせないため本音半分そして嘘が半分
「そうなのだが、お前のその
いや言わんで良い、大体のことは分かる
本当にすまない……すぐにお前の服を仕立ててやるから今日はもう休んでいなさい」
「そんなまだ昼間ですよ私は!!!」
「無理をするなただでさえお前はぼろぼろだ
今日は休め。他の物を手配し街を守っていく
休みも大事なことだいいな」
「はい」
それからベッドに入り眠ることにしたが
大司教様の考えはよく分かるし賛同できる
さっきの小言のことではない
私はあの負傷兵の無粋な顔が浮かんだ
どうして彼らまで救わなければいけないのか……
一体神はどうしてそこまで万物にしないと行けないのか
神の教えが嫌いなわけじゃないそれは今でも好きなことだし
だからこそ私はこの道を選んだ
だけど正直なところそれが本当に全て正しいことなのか
「(だけど、人をみんな万物に人を愛し守ることこれこそ素晴らしいことじゃない
なによ私は、自分の都合だけでこんな考えしちゃって……
たまたま悪い人にあっただけじゃないの……なにを私は……どうかしてる……
大司教様の言うとおりだ今日は寝ようきっと疲れてるんだ……)
そしてこの日から
奇妙な夢にうなされるようになった
「ふふ、やはりあなたは………」
あなたは誰………
「私は………」
ガバ!!!
「はっ………」
今の夢だったのかしら………
何だったのだろう今の夢
どうもまだ錯乱しているのかあんなことがあったから
でも私の思いは変わらない
あくまでも子供たち、そうこの街が好き
それだから私はシスターというものを目指そうとしているただそれだけ
そして翌日すぐさま私の服を仕立てなおしてくれた
渡してくれた大司教様のほっとした安心した顔が何よりの私の救いだった
やっぱりこの人のためにもっと頑張らないと行けないと思った
それからあの負傷兵……あの族は姿を見せなくなった
ようやく平穏が訪れようとした時
コンコン!
「はい」
「ああ、これはシスター様お疲れ様です」
「ハルカで結構ですどうなさいました?」
「いえ、この前あのようなことがありましていつまた火がつけられるかわかったものではありません
そこで大事なものをこの教会においてはいただけないでしょうか?」
「それは大変ですねわかりました。このための教会です
平和な世の中に再びなるまで大事に保管しておきます」
「ありがとうございます」
そうしてその預かり物を見ているとき
「あれこの赤黒い本は???」
「ああこれですか?ちょっと分からないんですずっと大事にしてきたものらしいですが
内容は分かりませんし、差し出がましいかもしれませんがその本も預かってもらってよろしいでしょうか?」
その本は赤黒い本で
表紙の文字がかすれて読めないが
なんか今ある本とはとても思えなかった
昔々に出回っている本のようだった
「そうですか。昔からずっと大事にされているものなら
分かりました大事に保管しておきます。わざわざ頼ってくれてありがとうございます」
「教会に預けたなら一安心です。ハルカ様これからもよろしくお願いします」
「はいこちらこそ」
そして教会にはまた私一人魔法の勉強やることもあったが
まずは預かり物を大事に書庫にしまって保管しておかないと
大事に一つずつしまっていく
そして最後のそうあの例の赤黒い本だ
「こんな本今まで見たことないなあ………どんなこと書いてるんだろ」
私はなぜだか知らないけど興味本位でその本を開けて行った