東日本大震災:福島第1原発事故 双葉町役場、移転先決定難航 町議会で町長「最終調整至らず」 /埼玉
毎日新聞 2012年09月20日 地方版
東京電力福島第1原発事故の影響で、加須市に役場ごと避難している福島県双葉町の井戸川克隆町長は19日、町議会9月定例会の一般質問で、福島県内への役場機能移転について「移転先自治体と最終調整に至っていない」と答弁し、移転先決定が難航していると明かした。議員からは「本当に年度内に移転できるのか」と非難の声が上がった。
役場移転を巡っては、町議会調査委が6月定例会で、アンケート結果を基に希望者が最多だったいわき市が「最適」と報告。町長はこれを受けて「年度内に役場を県内に戻す」と表明し、今回の定例会に提出した一般会計補正予算案に仮庁舎の建築調査設計業務委託料を計上している。
この日は質問した議員6人中3人が役場移転の進捗(しんちょく)状況をただした。移転先の自治体名を問われた町長は「相手の意向があるので、正式にはお答えできない」としつつも、「(いわき)市長にはお会いできていない。時間をかけて納得してもらえるように取り組んでいきたい」と述べた。議会終了後、議員の1人は「6月以来、議員側には何の相談もなかった。移転先が決まっていないなら、予算には賛成できない」と反発した。【大平明日香】