「勇者様、婚約する」の章のあらすじ&ダイジェストです。
腕輪のせいで『勇者の婚約者』にされた私。
けれど到底納得できるわけありませんよね?
ですから、ご本人のところに抗議にいったわけですよ。その時居合わせたのはリュファス様とファラ様。
そしたら、そのお二人の目の前で腕輪の引き合う力が発動しました。
私の身体は弾丸のようにグリード様に方に向っていき、ビッターンと彼の元へダイブしたのです。
な、な、ナンジャコリャーーーー!
私はポカーンとなりました。当然です。何もしてないのに、勝手に浮き上がってグリード様のところに引き寄せられたのですから。
リュファス様がご自分の持つ【分析】のスキルで腕輪を見てくださったのですが、実はこの腕輪には神官のレナス様の手による『死が二人を別つまで』なんて名前の祝福が掛かっていたそうなのです。
私が一方的にグリード様の元へ引き寄せられる呪い、もとい祝福だったのです!
当然私はレナス様の元へ抗議に行きました。レナス様とミリー様はその時姫様のお部屋にいたので、そこに突進して問い詰めたわけです。
そうしたらいきなり土下座しようとするは、軽い口調で説明しようとするはで、神官様に対する私の尊敬の年は著しく低下することになったのでした。
そのレナス様がとミリー様が仰るには、この腕輪の効果はグリード様の持つ【天啓】と呼ばれるスキルによる未来予知があったために施されたもので、ビッターン以外にもいろいろな能力が付加されているとのことでした。でもこのビッターンが一体何の役に立つのか、甚だ疑問です。
お二人の話は、腕輪のことからグリード様の生い立ちのことにまで及びました。私にグリード様のことをよく知ってもらいたいのそうです。
でもそこで聞かされたことは、私の想像の斜め上をいく過去でした。
精霊に育てられたグリード様。勇者候補であるが故に、いえ、精霊の加護を受けたばかりに狂わされたその人生に私は衝撃を受けました。
それと同時に、私はこの時ひとつの決心をしたのです。
グリード様の想いに真摯に向き合おうと。もう一度最初から全部はじめようと。
そんなことを考えていたせいもあるのかもしれません。私の後見人である宰相様から身売りされたようなお話を聞かされ、王様の微妙な圧力を受けた私は、とうとうぷっつんと切れてしまったのです。
介入するなと啖呵を切った後、私はグリード様に中庭で出会いました。
そして私はとうとうグリード様に求婚の返事をするのでした。
結果は――まぁ、お分かりかと思います。まったく聞いてもらえませんでした。
いや、もう、これは最初から教育していくしかないじゃね?
そう思った私はグリード様を調教……げふげふ、教育を始めたのでした。
けれど、私は知らなかったのです。すぐそばに嵐が近づいてきているのを――
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。