阿木川ダムの建設に先立ち、昭和56年8月から昭和57年3月にかけて行われた恵那市東野大字大野吾に所在する大野吾(おおわご)遺跡の発掘調査で出土した。
調査はT〜V区の3カ所で行われ、第T区では縄文時代と古墳時代の竪穴住居跡9軒を検出、U区でははっきりとした遺構はなかったが、この甕棺が横に寝た状態で出土した。V区では江戸時代の古道と茶店跡を検出した。
甕棺は胴の下半部から底部にかけて摩耗しており、底部裏には葉の圧痕が残る。胴の中ほどの表面には炭化物が付着しており、本来は煮沸用であった深鉢を甕棺として転用したものと考えられる。
(参考資料)
西部良治ほか『阿木川ダム関係遺跡発掘調査報告書』恵那市教育委員会(1982年)
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