<J1>広島V、圧巻4発…若手競争で底上げ
毎日新聞 11月24日(土)22時6分配信
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【広島・セ大阪】前半17分、広島・高萩が先制ゴールを決め、スタンドのサポーターに向かって弓矢を射るポーズをする選手たち=広島ビッグアーチで2012年11月24日、長谷川直亮撮影 |
J1は24日、第33節の9試合があり、首位の広島がセ大阪に快勝し、最終節を残して初の年間優勝を決めた。広島は得点ランキング首位のFW佐藤寿人の活躍などで序盤戦から上位争いを展開。9月の第25節以降は首位をキープした。広島は12月6日開幕のクラブワールドカップ(W杯)に出場する。広島と優勝争いしていた仙台は新潟に競り負け2位が確定。鳥栖は浦和を降し、4連勝で3位に浮上した。鹿島は名古屋、大宮は磐田にそれぞれ勝ち、来季のJ1残留が決定。14位以下のセ大阪、神戸、ガ大阪、新潟は最終節に残留を懸ける。
〇広島4−1セ大阪●
ロスタイム。佐藤の目に、ピッチの隅に出てきていた出場停止の千葉が指で「0」「1」とジェスチャーするのが見えた。「もしかしたらいけるのかな」。広島の勝利が決まってから数秒後。仙台の結果を知った控えの選手がピッチになだれ込み、スタンドが、選手が歓喜に沸いた。
ピッチで泣き崩れた佐藤は「今年一番の試合ができた」と振り返った。前半17分。千葉に代わりリベロに入った塩谷からのロングパスが佐藤を経由して高萩へ。相手守備に一度カットされたこぼれ球を高萩が左足で豪快なシュートを決めて先制。さらに20分、左サイドの清水が逆サイドへ振る。そこへ石川が猛然と深い位置に走り込み頭で折り返して、青山の2点目を生んだ。前節の浦和戦は硬さが取れず完敗したが、「ミスしても良いから、最初から思い切ってアグレッシブに行こうと話していた」と森脇。重圧のある中、全員が力を出し切る精神面の強さが勝利を生んだ。
昨季チーム得点1位の李忠成が海外移籍で抜けた今季、森保監督は「経験のない選手の底上げが結果を出すためには不可欠」と競争を促した。もともと広島は育成力に定評があるが、若手の切磋琢磨(せっさたくま)がチームの躍進をもたらした。
今季はワールドカップ最終予選が組まれる中、日本代表の主力を抱えるクラブに比べて有利な点もあった。「優勝したけど、強かったかというと、そうは思わない。この結果におごらず、もっと強くなっていかなくてはいけない」と佐藤。その追求心は、接戦を勝ち抜いた王者にふさわしかった。【中村有花】
最終更新:11月25日(日)2時15分
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