戦後間もない昭和22年(1947年)に「朝日マラソン」として第1回大会が行われて以来、幾多の名勝負を生んできた福岡国際マラソン。第20回大会(昭和41年)には「国際マラソン選手権」と改称。英語で'Championship'とうたう唯一の世界レベルのレースとして生まれ変わりました。翌年の21回(昭和42年)大会ではオーストラリアのデレク・クレイトン選手が「人類の壁」といわれた2時間10分を初めて切る2時間9分36秒で優勝。もちろん、これは当時の世界記録。第35回(昭和56年)にもオーストラリアのロバート・ド・キャステラ選手が2時間8分18秒の世界記録を出すなど、「世界記録」誕生のレースとして世界へ名を轟かせました。
キャステラ選手が世界記録を樹立して30年後の平成23年(2011年)9月、第38回ベルリン・マラソンでケニアのパトリック・マカウ選手が、2時間3分38秒という世界記録をたたき出しました。近年、マラソンの高速化は著しく、今後、2時間2分台、さらには、「人類の夢2時間の壁突破」への期待も大いに高まってきました。
今年で66回を迎える「福岡国際マラソン」も、第62回(平成20年)大会で、ツェガエ・ケベデ選手(エチオピア)が国内初となる2時間6分台(2時間6分10秒)で優勝すると、翌第63回(平成21年)大会でも同じく国内で初めての2時間5分台(2時間5分18秒)を記録し連覇。これは現在も大会記録となっています。
歴史の中で脈々と引き継がれたレースの格式にたがわぬ、ハイレベルなレースが展開される「福岡国際マラソン」。その第1回大会の優勝タイムは2時間45分45秒でした。現在の大会記録が2時間5分18秒。60余年で40分以上記録を縮めていることになります。
過去の優勝者を振り返ってみても、瀬古利彦(32~34、37回大会優勝)、ゲザハン・アベラ(エチオピア/シドニー五輪金メダル)、ジョサイア・チュグワネ(南アフリカ/アトランタ五輪金メダル)、李鵬柱(韓国/アトランタ五輪銀メダル)、ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア/前男子マラソン世界記録保持者)、サムエル・ワンジル(ケニア/北京五輪金メダル)など、そうそうたる顔ぶれがこの「福岡」を疾走しています。
世界のトップアスリートたちが自らのプライドを賭けてしのぎを削る大会。それが「福岡国際マラソン」です。
また「福岡国際マラソン」のもうひとつの魅力は、厳しいエントリー条件をクリアしたおよそ600人を超える市民ランナーが、世界トップレベルのランナーとともに厳冬の福岡市街を駆け抜けることです。
歴史と伝統に彩られた今年の第66回大会は、来年モスクワで行われる「世界陸上競技選手権」の選考レースでもあります。4年後のリオデジャネイロ五輪に向け、日本男子マラソンからニューヒーロー誕生となるか。
「福岡国際マラソン」は12月2日(日) 昼0時10分、平和台陸上競技場をスタートします!
主催:(財)日本陸上競技連盟・朝日新聞社・テレビ朝日・九州朝日放送
後援:国際陸上競技連盟・福岡県・福岡県教育委員会・福岡市・福岡市教育委員会・日刊スポーツ新聞社
主管:福岡陸上競技協会 ◆支援:福岡県警察・陸上自衛隊第4師団