2009年10月30日 21:26
ひろーい畑。
皆さん、これがなんの畑か分かりますか?
分かったソコのあなた!!
・・・・・・・さては、かなりイケる口ですね。
そうです、答えは大豆畑です。
醤油・豆腐・味噌などの原料である、日本人には欠かせないお豆です。
ちなみに、知らない人は居ないと思いますが、枝豆のなれの果てがこの姿です。
枝豆とは未熟大豆のことで、しっかり熟すとこんな感じで立派な大豆になります。
これを煮豆にすると・・・・・超!旨いんですよねー。 もう、ずっと食ってられますよ。
さて。
なんでこんな豆話をしてるのかと言いますと、実は半月ほど前に、
農業法人さん達(弥彦には数個の法人存在します)が
大豆収穫を行うとの話しを聞きつけ、見学に行ってきたのです。
今日はそのお話し。
大豆専用コンバイン。
2台で一気に刈っていくので、あっという間に次の田んぼへ~次の田んぼへ~と
移動していきます。稲刈りの数倍のピッチで作業は進みます。、
コンバインの貯蔵庫がイッパイになったらトラックへ。
この作業は、お米と一緒ですね。
この後、大豆はトラックで乾燥機へ運ばれ、
保存に適した水分量に調節されます。
これもお米と一緒ですね。
お米と唯一違うのは、「止むを得ず作ってる」と言う事です。
先述したように、大豆は日本人にとってお米と同じく無くてはならない大事な作物ですが、
大豆(黒豆・枝豆も含む)を作る大豆専業農家は非常に少なく、
国産大豆の殆どは減反政策の奨励によって作られています。
※国産大豆の85%は減反田で作られています。
実はですね、
この大豆収穫を見学に行ってからブログにアップするまでに何日も日数が掛かったのは、
大豆生産の背景にある「減反政策」について調べていたからなんです。
ちなみに日数を掛けた割には、地域によってルールが違ったり、
年度によって内容がコロコロ変わっていたりで未だに全容が理解できていません・・・。
※減反政策の概要についてはこちらからどうぞ。
減反の仕組みが複雑なのか?
はたまた私の頭がポンコツなのか? (←大いにあります。)
でも、色んな農家さんに聞いてみても、
「ワシも実際、細かいトコまでわからん!」って言われるので、
少なくとも、減反は複雑であると思います。
ここからは、私が分かる範囲での情報(間違ってたらスイマセン。汗)を
ざっくりとまとめ、かつ、現段階での私の減反政策に対する考えを少し書きたいと思います。
現在、10アールの田んぼでお米を作った場合、
良くて600キロ位のお米が採れ、15万程の売上になります。
※コシヒカリ・60キロ1万6千円計算。
しかし大豆の場合、同じ面積でも
平均160~170キロ、良くて200キロ程度の収獲しかできません。
売上は良くて27000円位・・・。
※国産大豆の平成17年基準価格・7990円計算
この数字から分かる限り、転作による大豆生産は大損です。
面積に応じて、1反当たり~3万程度の補助金も出るそうですが、全然割に合いません。
※北海道などの「超」大規模農家さんの中には、
効率的に補助金を得ることで巨額の利益を上げている人もいるらしいですが・・・。
それでも何故、大豆を作らねばならないかと言いますと、
法人など大規模な農家さん達はその広大な農地を維持するために
多額の設備投資を行っており、その資金の数割を国に補助されている所が少なくありません。
その場合、農地を守るための設備の補助と引き変えに、
国の農政に従って、米の生産調整~引いては大豆の生産を行わなければ
ならなくなる訳です。
シンプルに考えれば、
お金を与えて、その代償に儲からない経営を強要する訳なので、
矛盾ありありです。
ただ、そのお陰で米の価格が守られて、
多くの農家や農地が守られてるんだとかなんとか聞きますが、
もっとシンプルで合理的で、やや資本主義気味(経営努力によって農業を守る)な
考え方や方法は無いもんかと、常々若輩者の私は思っています。
まぁ、ウチはノー減反、ノー大豆、ネギでGOGO!って感じで、
農政とか、ましてや補助金の「ほ」の字にも縁が無い弱小好き勝手農家ですが!
・・・・・・さて。
今日もつまらない話を延々スイマセンでした。
色々書きましたが、今後もっと農政の事を勉強してったり、
私の農業スタイルが変ったり、立つ場所が変ったりすることで
私の農政に対する考え方はどんどん変わっていくと思います。
良く言えば、臨機応変に。
悪く言えば、流されやすく。
その際は、また節目節目で所感をまとめて、
公開していきたいと思います。 宜しくお願いします。
一つ言える事は・・・・・・ここまで読んだあなた!
かなり、イケる口ですね。笑
ホント読んで頂き、ありがとうございました。
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コメント
A-GYO | URL | -
Re: 大豆!そして減反政策!
自分こういう話、大好きです(笑)
うちは米は作っていないですが、減反…ってか農政とか補助金については色々思うところがあります。
「それ必要なの?」と。
うちも補助金なんぞ貰ってないし、ましてやそういう話も来ない弱小農家なんで、このまま細々とやっていこうと思ってます。
ちなみに私は「補助金いらないから減税してくれ」派です(笑)
あ、経営のリアルな数字、期待してます!
( 2009年10月30日 23:36 [編集] )
石井 | URL | lFH9V1S2
コメントありがとうございます!
【A-GYOさんへ】
以前A-GYOさんのブログを読んでいて、
「後でプラスする位なら、先にマイナスを減らせ」って理論に
確かにその方がシンプルかも・・・って思いました。笑
外国(欧州など)では農家の経営の約半分を国が
補助しているなんて話も聞きますが、
保護しなければならない部分と、他産業と同じく発展の為にあえ得て努力・競争させねばならない部分との両立に非常にもどかしさも感じます。 難しいですね。汗
09年度ネギ栽培のリアルな数字、もうじき公開できそうです!
しばし、お待ち下さいませ!
( 2009年10月31日 12:22 [編集] )
たけうち | URL | -
Re: 大豆!そして減反政策!
先日はありがとうございました、たけうちです。
減反政策・・・理解するのが難しいですよね。
私も以前、減反政策関係(バイオエタノールの原料米の話)で1本リポートを作ったんですが、とりあえず農家のおじちゃんに減反の補助金表もらって勉強することから始めた記憶が・・・
補助金もらってる本人たちすらよくわかってないあの制度、何とかならんもんですかね。
しかも政権かわって、ますます制度が意味不明です
( 2009年11月01日 12:14 [編集] )
石井 | URL | lFH9V1S2
コメントありがとうございます。
【たけうちさんへ】
こちらこそ、先日はありがとうございました。
減反政策は実際にそれを行う行政側にも
疑問や矛盾を感じている人は多いと思います。
今後は米粉用や飼料米などの田んぼに
10アールあたり8万円もの補助が行われるそうですね。
複雑なだけでなく、猛烈なスピードで内容が変化していく
農政には、理解しようとするだけで凄い労力がかかります。汗
( 2009年11月02日 12:29 [編集] )
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