衆院選(12月4日公示、16日投開票)で、鈴木宗男元衆院議員(64)が代表を務める新党大地・真民主から脳機能学者の苫米地英人氏(53)が、出馬することが分かった。北海道1~5区のどこかと比例ブロックでの重複立候補で調整しており23日にも発表される。苫米地氏といえば、オウム真理教信者やオセロ中島知子(41)らの“脱洗脳”で知られる。国政に舞台を変え、官僚機構に毒された永田町の“脱洗脳”に取り組む構えだ。
苫米地氏といえば日本中を震え上がらせたオウム真理教事件後、信者の脱洗脳プログラムを手掛けて一躍、名を馳せた脳機能学の第一人者だ。最近でも女性占い師に洗脳され芸能活動休止、家賃滞納トラブルに見舞われたオセロ中島のカウンセリングを担当し、再び脚光を浴びていた。
新党大地から北海道ブロックでの出馬は、意外ともいえるが、実は苫米地氏と政界や北海道とのつながりは深い。祖父の故英俊氏は北海道が地盤の元国会議員で、自民党の要職や札幌短大初代学長も務めていた。
また苫米地氏は今月、ロシア・ウラジオストクにあるロシア極東連邦総合大学の教授に就任している。ブログでは「日本とロシアはこれから本格的に付き合っていくべきだ。ロシアの未来のリーダーたちの育成のお手伝いをすることで、ロシアと日本の親密な関係づくりに貢献したい」と抱負を語っている。
新党大地は北方領土返還を公約に掲げ、宗男氏や元外務省主任分析官で同氏と親しく本紙にコラムを連載中の作家・佐藤優氏(52)らは、プーチン大統領(60)やメドベージェフ首相(47)らとロシア外交で太いパイプを築いている。苫米地氏も独自に日露交流に取り組んでおり、宗男氏も太鼓判を押したようだ。
政治にも一家言を持ち、自著では官僚機構の打破や参議院の廃止、首相公選制などを提唱。脱官僚、大幅な定数削減を訴える新党大地とは政策面でも一致し、出馬の運びとなったとみられる。
衆院選で新党大地は、宗男氏が5年間の公民権停止で出馬できない苦境に立たされているうえ、当初選挙協力するとみられた民主党とは完全に決別。その穴を埋めるべく北海道を中心にスクランブル態勢で臨む予定で、党名の命名者で歌手の松山千春(56)も最後まで出馬の可能性を模索すると同時に候補者選定に奔走している。
小選挙区では、松木謙公幹事長(53)、石川知裕氏(39)らが出馬するほか、宗男氏の長女でNHK職員の貴子氏(26)が出馬調整を進め、スピードスケート五輪金メダリストの清水宏保氏(38)は、23日に出馬か否かの最終判断をする。
異色ともいえる経歴を持つ苫米地氏は、党勢拡大と無党派層の掘り起こしを図りたい考えだ。霞が関の官僚に、政治家ががんじがらめとなっている中、苫米地氏が当選した暁には、永田町にどのような“脱洗脳”の荒療治を施すかが見物となる。
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