男児2人死亡:「危険運転」で懲役15年求刑 東京地裁
毎日新聞 2012年11月13日 18時53分
東京・田園調布で男児2人が死亡、5人が負傷した事故で、危険運転致死傷罪に問われた造園作業員、宮田智裕被告(22)の裁判員裁判の公判が13日、東京地裁(大野勝則裁判長)であった。検察側は懲役15年を求刑し、弁護側は最終弁論で改めて同罪の成立を否定し、結審した。判決は16日。
検察側は論告で「高速度で運転中に蛇行運転をしようと、ふざけて右に急ハンドルを切ったのが事故原因。極めて危険で悪質な運転だ」と指摘。危険運転致死傷罪成立が否定された場合は「自動車運転過失致死傷罪を適用し、(法定刑の上限である)懲役7年が相当」と述べた。
一方、弁護側は最終弁論で「蛇行運転はしておらず、制御困難な高速度ではなかった」などと反論。被告は最終意見陳述で「何が償いかを考えて、一生かけて償っていきたいと思います」と述べた。
起訴状によると、被告は10年12月26日夜、大田区田園調布本町の50キロ制限の都道(片側2車線)を約75キロで走行中、右に急ハンドルを切り制御不能になり、歩道にいた小学3年、水島光偉(みつより)君(当時9歳)=栃木県下野(しもつけ)市=と、いとこの幼稚園児、水島遼人(はると)君(同6歳)=さいたま市=をはねて死亡させ、男児の祖父母と同乗者3人にけがをさせたとされる。【和田武士】