’12裁判員:2少女ひき逃げ・懲役17年(その1) 母「一生許さない」 地裁、自己保身優先を指摘 /長野
毎日新聞 2012年10月20日 地方版
公判では殺人罪の成否が争点となった。男性は「最初はあまりに悲惨な話と、右(検察側)と左(弁護側)で、(どちらの意見を採用して判断するかで)大きく人の人生が変わるので『大変だ』と思った」と苦しい心情を吐露した。「核心の持てる点だけを集めて判決の判断材料にするという中立性を持つことの大変さが分かった」と話した。
判決は殺人罪を適用して懲役17年とした。「我々(裁判員)はこれで終わるが、元少年と被害者はこれからも心理的には(事件は)終わらない。(被害者、加害者ともに)苦しい感情は続くだろうと思う」と語った。【小田中大】
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判決後、徳竹優菜さんの母親が報道陣の取材に応じ「裁判員に私たち被害者の気持ちが分かってもらえた」と心境を述べた。来月5日で事件から1年を迎えることに触れ「帰宅して『ただいま』と言っても『お帰り』と返してもらえない。その一日一日が長くて長くて、やっとの思いで過ごしてきた」と涙ながらに語った。元少年に対しては「(遺族には)優菜の居ない毎日が繰り返される。大事な娘を奪った元少年を一生許すことはできない」と憤った。