緊張解けない日中関係、頼みの綱は「パンダ外交」―米華字メディア

2012年10月31日 20時37分

29日、尖閣諸島の領有問題が影を落としている日中関係だが、「パンダ外交」が関係改善の最後の頼みの綱になるかもしれないと北米華字メディアが伝えている。写真は9月、四川省からシンガポールに向けて出発したパンダの「武杰」と「護宝」。(Record China)

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2012年10月29日、米華字サイト・多維新聞によれば、ジャイアントパンダは当初は旧ソ連と北朝鮮にしか贈られなかったが、1970年代から“友好の印”として米国や日本、フランス、英国、西ドイツ、メキシコ、スペインなど多くの国に贈られ、各国との関係改善・発展に一役買った。

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こうした「パンダ外交」はかなり古くから行われており、685年には唐代の則天武后が日本の天武天皇に2頭のジャイアントパンダを贈呈したことが資料に残っている。また、1972年の日中国交正常化の際にもカンカンとランランの2頭が贈呈され、上野動物園で盛大なセレモニーが行われた。

2010年に日中関係が冷え込んだ際にも、翌年パンダのリーリー(中国名:比力、ビーリー)とシンシン(中国名:仙女、シエンニュー)が来日。メディアは「パンダ外交」に否定的だったが、前原誠司外相(当時)が「パンダを見て人々の中国に対する態度が変わった」と述べるほど、関係が緩和された。東日本大震災の被災地である仙台市も「子どもたちを慰めたい」とパンダ誘致を検討している。

日中国交正常化から40周年を迎えた今年、両国の友好関係に尖閣諸島の領有問題が暗い影を落としている。ただ、日本ではパンダの記念切手が発売され、上野動物園で7人の子どもが“上野パンダ大使”に任命されるなど、パンダ人気は健在。両国とも状況を打開する術を見いだせないまま民意に流され堂々巡りをしている現在、「パンダ外交」が最後の頼みの綱になるかもしれないと、記事は指摘している。(翻訳・編集/岡田)

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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